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米債券価格急落で市場に動揺、次期政権始動控えドル上昇

ロイター / 2025年1月9日 3時52分

トランプ次期米大統領の政策を巡る不透明感が増す中、米国債市場で売り注文が膨らみ、価格が急落している。2024年9月、米ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

Amanda Cooper Yoruk Bahceli

[ロンドン 8日 ロイター] - トランプ次期米大統領の政策を巡る不透明感が増す中、米国債市場で売り注文が膨らみ、価格が急落している。外国為替市場ではドルが上昇し、金融市場に動揺が広がっている。

8日には米10年債の利回りは4.7%を超えて、2024年4月以来の高水準となった。英10年債利回りも08年以来の高水準に達した。対ドルで英ポンドは1%以上下落しているほか、ユーロ はドルと等価の為替水準へと近づいている。

24年には主要中央銀行のインフレとの闘いは勝利宣言が近いとみられていたが、足元の複数の指標では物価上昇圧力が再び高まっていることが示されている。

トランプ氏が掲げる関税引き上げや減税、規制緩和の政策は、インフレを押し上げ、財政圧迫につながる恐れがある。そうなれば、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ余地が狭まる可能性がある。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、ケネス・ブルー氏は「次期米政権下での国債発行や政策の急増を踏まえれば、25年の出だしは容易なものにはならない」と指摘し、米10年債利回りは5%になると予想しているとコメントした。トランプ氏の大統領選勝利で上昇していた米S&P総合500種なども軟調に転じている。

金融政策を巡る短期的な変動の影響を受けにくい長期債は、25年の大量の新規発行もあり、各国で利回りが数年来の高水準を付けている。

米30年債利回りはこの1カ月で60ベーシスポイント(bp)上昇し、5%に迫っている。英30年債利回りは5.4%程度と1998年以来の高水準を付け、英政府の債務負担増大への懸念が強まっている。

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