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ドル上昇、新型コロナ危機安定化への期待後退=NY市場

ロイター / 2020年4月9日 6時14分

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。新型コロナウイルス流行がピークに近いとの期待が薄れ、経済への影響が懸念される中、安全資産とされるドルが買われた。3月撮影(2019年 ロイター/DADO RUVIC)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。新型コロナウイルス流行がピークに近いとの期待が薄れ、経済への影響が懸念される中、安全資産とされるドルが買われた。

テンパスのシニア為替トレーダー、フワン・ペレス氏は「楽観的な見方は後退した。今後2カ月にかけ不透明性は継続するだろう」と述べた。新型コロナの検査が十分に実施されていないことで現時点で感染の全体像を把握できないと指摘した。

米ワシントン大学のモデル分析に基づく米国内の新型コロナウイルス感染による8月4日までの死者予測は8日下方修正されたものの、政府当局はコロナ流行の「第2波」が到来する恐れもあるとして警戒を呼び掛けた。

米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した3月3日および15日の緊急連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、新型コロナウイルスの発生が米経済に悪影響を及ぼし、金融市場を混乱させた迅速さに懸念を強め、「強力な措置」の決定につながったことが分かった。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.16%上昇し、100.12。

ドル/円 は0.13%高の108.84円。

ユーロ/ドル は0.28%安の1.0858ドル。

ユーロ圏財務相が新型コロナ経済対策で合意できず、9日に再協議を行うことになったことがユーロの重しになった。

一方、ポンド/ドル は0.41%高の1.2388ドル。

豪ドル/米ドル は一時の下げから戻し、1.10%高の0.6234米ドル。格付け会社S&Pがオーストラリアの「AAA」格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことを受け、豪ドルは下落していた。

一部アナリストの間からは、新型コロナ対策として米政府やFRBが打ち出した異例の措置によるドルへの長期的な影響を懸念する声も出ている。

MUFGのデレック・ハルペニー氏は「新型コロナが年末までに終息しても、2021年には財政赤字、バランスシートの拡大、大規模なドル供給といった問題に直面し、ドル安への下地となり得る」と述べた。

ドル/円 NY終値 108.81/108.84

始値 108.83

高値 109.09

安値 108.61

ユーロ/ドル NY終値 1.0856/1.0860

始値 1.0870

高値 1.0888

安値 1.0851

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