米国株式市場＝反落、景気回復巡る不透明感で幅広い売り

７月８日、米国株式市場は反落。ニューヨーク証券取引所前で４月撮影（２０２１年　ロイター/Carlo Allegri）

［ニューヨーク　８日　ロイター］ - 米国株式市場は反落。米景気回復ペースを巡る不透明感から、幅広い銘柄に売りが出た。

質への逃避の動きから米国債が買われる中、主要株価３指数がそろって下落。景気に敏感なダウ輸送株２０種は３．３％下げた。

Ｓ＆Ｐ総合５００種の主要１１セクターも全てマイナス圏で引け、金融の下落がきつかった。

それでもアナリストからは、株価はなお記録的な水準にあるとの声が聞かれた。

投資顧問会社ウェルスパイア・アドバイザーズのシニアバイスプレジデント、オリバー・パーシェ氏は「株価は実質的にまだ最高値圏にあり、きょうの値動きについて深読みはしない」とコメント。「成長率が景気下支えに十分な一方で、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）がこれまでに発表した以上の政策変更を行うほどではないというゴルディロックス（適温）シナリオにある」と述べた。

米労働省がこの日発表した週間の新規失業保険申請件数は３７万３０００件と前週から増加し、労働市場の回復が一様でないことが改めて示された。

中国が米上場の中国企業への締め付けを強めていることもリスク回避ムードにつながった。中国は配車サービス最大手の滴滴出行（ディディ）のほか、ハイテクセクター以外にも取り締まりの動きを拡大している。

この日の取引で滴滴は５．９％下落。アリババ集団と百度（バイドゥ）もそれぞれ３．９％安、３．７％安となった。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を３．１３対１の比率で上回った。ナスダックでは１．９８対１で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は１０５億６０００万株。直近２０営業日の平均は１０６億５０００万株。

終値 前日比 ％ 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株３０種 34421.93 -259.86 -0.75 34569.01 34569.01 34145.59

前営業日終値 34681.79

ナスダック総合 14559.79 -105.28 -0.72 14409.20 14610.06 14371.59

前営業日終値 14665.06

Ｓ＆Ｐ総合５００種 4320.82 -37.31 -0.86 4321.07 4330.88 4289.37

前営業日終値 4358.13

ダウ輸送株２０種 14475.22 -490.44 -3.28

ダウ公共株１５種 891.72 -4.25 -0.47

フィラデルフィア半導体 3222.81 -38.92 -1.19

ＶＩＸ指数 19.00 +2.80 +17.28

Ｓ＆Ｐ一般消費財 1462.90 -1.32 -0.09

Ｓ＆Ｐ素材 511.02 -7.03 -1.36

Ｓ＆Ｐ工業 861.24 -12.46 -1.43

Ｓ＆Ｐ主要消費財 720.65 -2.18 -0.30

Ｓ＆Ｐ金融 593.17 -11.89 -1.96

Ｓ＆Ｐ不動産 283.36 -0.22 -0.08

Ｓ＆Ｐエネルギー 391.55 -1.82 -0.46

Ｓ＆Ｐヘルスケア 1496.08 -7.12 -0.47

Ｓ＆Ｐ通信サービス 265.81 -2.81 -1.05

Ｓ＆Ｐ情報技術 2631.41 -24.51 -0.92

Ｓ＆Ｐ公益事業 328.03 -0.80 -0.24

ＮＹＳＥ出来高 10.20億株

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 27770 - 380 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 27745 - 405 大阪比