中国通信大手、米事業免許取り消さないようFCCに要請
ロイター / 2020年6月9日 13時37分
6月8日、中国の国有通信大手、中国電信(チャイナテレコム)と中国聯通(チャイナユニコム)の米国法人が米連邦通信委員会(FCC)に対し、米国と海外を結ぶ国際通信の事業免許を取り消さないよう要請したことが分かった。写真はFCCのロゴ。ワシントンで2015年2月撮影(2020年 ロイター/Yuri Gripas)
[ワシントン 8日 ロイター] - 中国の国有通信大手、中国電信(チャイナテレコム)<0728.HK>と中国聯通(チャイナユニコム)<0762.HK>の米国法人が米連邦通信委員会(FCC)に対し、米国と海外を結ぶ国際通信の事業免許を取り消さないよう要請したことが分かった。
米司法省と国土安全保障省、国防総省、国務省、商務省は4月、安全保障上の懸念を理由に、チャイナテレコムの米国法人に付与している事業免許を取り消すようFCCに要請。
FCCは同月、チャイナテレコム、チャイナユニコム、パシフィック・ネットワークス・コープとその子会社コムネット(米国)の米事業免許を取り消す可能性があると警告し、取り消すべきでない理由を説明するよう命じた。
またFCCのパイ委員長は、「これらの企業が中国共産党に利用、コントロールされ、影響を受ける恐れがある」ことに強い懸念を示していた。
チャイナテレコムの米国法人は8日遅くに提出した文書で、米政府の主張は「根拠がない」とし、「具体的な不正を示す一切の証拠もなく、外交政策上の懸念だけ」に基づいて米国での事業免許を取り消すべきではないと訴えた。
また、同社のこれまでの行動には「米政府が主張する信頼の欠如の妥当な根拠」は見当たらないと反論。同社は米国人72人を含む224人を米国内で雇用しており、米国の法執行や安全保障に関する問い合わせに対応してきたと主張した。
チャイナユニコムの米国法人は今月1日にFCCに提出した文書で、同社には「米通信市場への有益な貢献者としての20年の実績やFCCの規制を順守してきた実績があり、米国の法執行機関と協力する姿勢も示してきた」と強調した。
パシフィック・ネットワークスとコムネットも1日の提出文書で、「両社とも中国政府あるいは中国共産党から『米国の安全保障や法執行における利益を危険にさらす』行動を取るように指示は受けていない」と主張した。
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