英、離脱協定一部骨抜きの法案提出 EUは交渉継続

ロイター / 2020年9月10日 0時49分

英政府は9日、欧州連合(EU)離脱協定の一部の無効化につながる法案を提出した。EUは英国が離脱協定の修正を試みれば英国との自由貿易協定(FTA)は実現しないと警告しており、交渉を巡る混迷が一段と深まった。ベルリンで昨年4月撮影(2020年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[ロンドン/ブリュッセル 9日 ロイター] - 英政府は9日、欧州連合(EU)離脱協定の一部の無効化につながる法案を提出した。EUは英国が離脱協定の修正を試みれば英国との自由貿易協定(FTA)は実現しないと警告しており、交渉を巡る混迷が一段と深まった。

英政府が提出した「国内市場法案」は、今年1月に発効したEU離脱協定の一部条項を実質的に無効化するもの。ジョンソン首相は議会で、離脱協定の北アイルランドを巡る条項を巡る「極端、もしくは不合理な解釈から英国を守る法的な安全網」と説明。政府は、国際法への影響は「特定的、限定的」となるとした。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「離脱協定に違反する意図を示す英政府の発表を深く懸念している」とし、「この法案は国際法に反するもので、信頼の喪失につながる。「パクタ・ズント・セルヴァンダ(ラテン語で『合意は守られなければならない』の意味)」とツイッターに投稿した。

この日はEUの首席交渉官がロンドン入りし、通商協定を巡る協議が再開。これに合わせるように国内法案を発表することで、ジョンソン首相はEUに揺さぶりをかけようとしているとの見方も出ている。

ただEU関係筋はロイターに対し、交渉は打ち切られないと表明。EU外交官は「雰囲気は緊迫しているが、協議は継続される。EUは交渉の場から立ち去ることはしない」とし、「バルニエ首席交渉官はEUが合意を望んでいるという姿勢を示す。これにより、事態の混乱を招いたのは英国だということになる」と述べた。

法案の発表を受け英ポンドは当初下落したが、EUは交渉を打ち切らないと伝わったことで地合いを持ち直し、一時1ポンド=1.30115ドルまで上昇した。その後は約0.1%高の1.30ドルとなっている。

法案は今後、英議会の上下両院で討議される。

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