英アーム10─12月見通し、契約後ずれで予想下回る 株価下落
ロイター / 2023年11月9日 9時13分
Stephen Nellis
[8日 ロイター] - 英半導体設計大手アームが8日公表した第3・四半期(10─12月)の売上高見通しは、市場予想を下回った。大型の契約が想定より後ずれする可能性が高いことが主な要因という。株価は引け後の取引で8%下落した。
一方、人工知能(AI)アプリケーションのブームを背景に新たな半導体を設計する企業が相次ぐ中、通期の売上高見通しは市場予想を上回った。
2024年度売上高見通しのレンジ中央値は30億2000万ドル。LSEGがまとめたアナリスト予想は29億5000万ドルだった。第3・四半期売上高見通しの中央値は7億6000万ドルで、市場予想の7億6784万ドルを下回った。
同社のジェーソン・チャイルド最高財務責任者(CFO)は第3・四半期と通期の業績見通しについて、大型のライセンス契約が当初予想より1四半期遅れる見込みとなったことが影響したとロイターに述べた。生成AIが話題になる中、非常に強い需要があるとも語った。
第2・四半期決算は売上高が28%増の8億0600万ドルで、市場予想の7億4431万ドルを上回った。調整後の1株利益も0.36ドルと予想の0.26ドルを上回った。
ソフトバンクグループ(SBG)傘下のアームは9月、米ナスダック市場に上場。同社が取り組む問題の一つは新たな会計ルールで、複数年の大型ライセンス契約をどう収益計上するかに影響する。
アナリストは、この問題を予見できないことがアームの評価額への疑問につながっていると指摘。クリエイティブ・ストラテジーズの主席アナリストのベン・バジャリン氏は、成長の持続可能性に疑義が残るとし「当四半期は好調に見えたが、ガイダンスは良くない。顧客サイクルがどうなるかよく分からない」と述べた。
アームの収益の二本柱は、半導体設計やその他の知的財産へのアクセスに対するライセンス料のほか、知的財産を使用して製造された半導体の販売に応じて得るロイヤルティー料。
ビジブル・アルファのデータによると、第2・四半期のロイヤルティー収入は4億1800万ドルに減少し、アナリスト予想の4億2030万ドルを下回った。ライセンスとその他の収益は3億8800万ドルで、予想の3億2690万ドルを上回った。
チャイルドCFOはロイターに、第2・四半期のロイヤルティー収入減は依然として供給過剰を反映しているとし「ロイヤリティーの数字は今四半期にプラス(成長)に転じると予想している」と語った。
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