米金利据え置き支持、近く利下げ見込まず=フィラデルフィア連銀総裁
ロイター / 2023年11月9日 11時56分
11月8日、米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁(写真)は、米連邦準備理事会(FRB)が直近の会合で政策金利を据え置いた判断は正しい選択だったと述べ、今はこれまでの積極的な利上げの効果を評価する段階にあるとの見解を改めて示した。写真は米ワイオミング州 で8月撮影(2023年 ロイター/Ann Saphir)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は8日、米連邦準備理事会(FRB)が直近の会合で政策金利を据え置いた判断は正しい選択だったと述べ、今はこれまでの積極的な利上げの効果を評価する段階にあるとの見解を改めて示した。
現在の政策設定を維持することで「今後の政策金利についてより慎重で賢明な決定が可能になる。そうした決定はデータ次第でどちらの方向にもなる可能性がある」と述べた。
ただ、近い将来の利下げはない見通しだとも語った。
FRBは先週開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは2会合連続。追加利上げの選択肢も残したが、インフレ圧力が低下する中、多くの投資家はFRBの引き締めが終了したとみている。来年の利下げを予想する動きもある。
ハーカー氏が発言するのは前回のFOMC後初めて。
先走る市場参加者に注意を促し、FRBがインフレ率を低下させる任務を達成するには「金利をより長くより高く維持する必要があると考えている」と述べた。
米経済については減速を見込んでいるものの、リセッション(景気後退)には陥らない見通しだとした。
インフレ率は来年に3%まで低下し、その後目標の2%に戻るという見通しを示した。
10月に3.9%となった失業率については来年に4.5%に上昇すると予想。その後は4%に向けて再び低下する見込みだとした。
また、経済のソフトランディング(軟着陸)というFRBの目標達成を消費者が支援するとの見解も示した。堅調な消費支出がこのところの力強い成長をけん引しているが、一方で今後支出が鈍化するかどうかは時間が経たなければ分からないと指摘した。
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