米利下げ、支持するには時間必要=リッチモンド連銀総裁
ロイター / 2024年2月9日 9時13分
米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は8日、連邦準備理事会(FRB)には金融政策の次の動きを決定する前に、インフレ率が目標値に向けて低下していると確認するのを待つことができるとの考えを示した。2022年1月撮影(2024年 ロイター/Joshua Roberts)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は8日、連邦準備理事会(FRB)は金融政策の次の動きを決定する前に、目標に向けたインフレ低下をさらに確認するために時間をかけるべきとの考えを示した。
バーキン総裁はニューヨークのエコノミック・クラブでの講演の原稿で「時間をかけるのが賢明だ」とし、「インフレ再燃を望む者はいない。旺盛な需要と好調な労働市場を踏まえると、利下げに着手する前に(インフレが再燃しないと)確信を得るための時間がFRBにはある」と述べた。
講演後には記者団に対し、今後の連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を事前に判断したくないとし、利下げを支持する時期については明言を避けた。ただ、物価上昇圧力が持続的に2%に戻る軌道にあるとの確信を得るためには、インフレを引き下げる要因の広がりを見ることが重要だと述べた。
講演では、インフレが再び上昇する前に一服しているように見えるとし、だからこそ政策変更を求める前にインフレが本当に2%に戻るのか確かめたいと強調した。
一方で「これまでのインフレ率低下の大部分はパンデミック(新型コロナウイルス流行)時代のモノ価格上昇の部分的な戻しによるものだ。住居費やその他のサービスインフレは依然として過去の水準より高い」とも語った。
また、消費者心理の回復、貯蓄を切り崩してでも家計が消費しようとする意欲が金融環境の緩和と相まって「インフレ見通しにリスクをもたらす可能性もある」とした。
「パンデミック以前の経済に円滑に戻る可能性はある」としつつ、「インフレ圧力や需要面の課題が続き、それに対処する必要があるため、着陸が多少不安定になるかもしれない」とも述べた。
今後のインフレ指標は軟調に推移する可能性が高いと指摘。また、最近の経済データの強さには「目を見張る」との認識も示した。
さらに、自身の周囲では景気後退への懸念が低下しているという。企業については、雇用を減らしているが、同時に解雇も減らしているほか、値上げ余地が縮小したと考えていると述べた。
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