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マレーシア中銀、金利据え置き インフレリスクや通貨安を警戒

ロイター / 2024年5月9日 18時37分

5月9日、マレーシア中央銀行は、政策金利を予想通り3.0%に据え置いた。写真は2019年7月、クアラルンプールの同行前で撮影(2024年 ロイター/Lim Huey Teng)

[クアラルンプール 9日 ロイター] - マレーシア中央銀行は9日、政策金利を予想通り3.0%に据え置いた。インフレリスクを警戒し、通貨安対策を継続した。

ロイター調査では30人のエコノミスト全員が据え置きを予想していた。大半のエコノミストは少なくとも2026年まで金利の変更がないとみている。

中銀は、最新の指標によると、第1・四半期の経済活動は底堅い国内支出と輸出の好転を背景に拡大したと指摘。「輸出の回復は勢いを増す見通しだ。ハイテクの世界的な上昇サイクルや非電機電子製品の継続的な好調が支えになる」との見方を示した。

リンギ安については、マレーシア経済のファンダメンタルズと成長見通しを反映していないと改めて表明。リンギは今年、対ドルで3%以上下落しており、2月には26年ぶり安値を付けた。

中銀は市場のボラティリティーの高まりに起因するリスクを引き続き管理するとし、国営企業に利益の本国還流(レパトリエーション)とリンギへの両替を奨励する対策が資金流入に寄与していると指摘した。

「中期的には国内の構造改革がさらに持続的なリンギの支援要因になる」としている。

中銀は今年の総合インフレ率を2─3.5%と予想。昨年は2.5%だった。ただ今後の見通しは、予想される補助金・価格統制の調整のほか、国際商品価格や市場の動向に左右されるとしている。

第1・四半期の総合インフレ率は平均1.7%、コアインフレ率は平均1.8%だった。

「今年のインフレ率は安定した需要状況と抑制されたコスト圧力を広範に反映し、緩やかな状態が続く見通し」としている。

今後の金融政策の見通しに対するアナリストの見方はまちまち。

オックスフォード・エコノミクスは、インフレと経済成長は緩やかだが、リンギ安で金融政策を緩和できないとし、少なくとも今年第3・四半期まで金利が据え置かれると予想した。今年第3・四半期には米利下げでリンギへの圧力が和らぐことが考えられるという。

ただ、通貨安が続けば利上げが必要になる可能性が高まるとも指摘した。

一方、キャピタル・エコノミクスは、年内の政策変更はないと予想。リンギがここ数週間で値上がりいることや、今年の補助金削減でインフレ率が上昇するとみられることを理由に挙げた。

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