EU清算機関、ストレステストに合格 LSEGなどの優位性鮮明に
ロイター / 2024年7月9日 15時39分
7月9日、欧州連合(EU)の証券市場監督機関、欧州証券市場監督機構(ESMA)は、域内の清算機関を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を発表した。写真はEUの旗。ブリュッセルで2022年6月撮影(2024年 ロイター/Yves Herman)
Huw Jones
[ロンドン 9日 ロイター] - 欧州連合(EU)の証券市場監督機関、欧州証券市場監督機構(ESMA)は9日、域内の清算機関を対象としたストレステスト(健全性審査)の結果を発表した。
気候変動の影響を含む理論上のショックに対処できるという見解を示した上で、一部の資産クラスで英国の運営機関が依然として優位性を維持していることが浮き彫りになったと指摘した。
ユーロネクストやドイツ取引所、米インターコンチネンタル取引所(ICE)、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)、米CBOEといった取引所の傘下機関を含め16社の清算機関を対象に、複数のユーザーがデフォルト(債務不履行)に陥るなどの混乱に対処できるかどうかを審査した。
ESMAの清算機関委員会のクラウス・レーバー委員長は「第5回ストレステストでは、信用や流動性に深刻なストレスが生じるシナリオにおいて欧州の清算環境の全体的な耐性が確認された」と述べた。
その上で、一部の清算機関はリスク管理を強化する必要があると指摘した。
特定の資産クラスで大きなポジションを持つ市場参加者はデフォルトに備え、追加証拠金などの「アドオン」が求められるが、ESMAによると、多くの資産クラスで単一の清算機関がこの分野を独占しているという。
ロンドンを拠点とするLSEG傘下LCHは金利デリバティブや為替デリバティブで、ICEは商品デリバティブと排出権の清算で同分野を独占している。
LCHとICEがロンドンからEU域内の顧客にサービスを直接提供することを認めたEUの許可は来年6月に期限切れになるが、ストレステストの結果は短期間でこれらの機関の優位性を低下させることの難しさを浮き彫りにしている。
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