ウクライナの越境攻撃続く、ロシアは増派で対応も弱点露呈
ロイター / 2024年8月10日 1時4分
ウクライナによるロシア西部クルスク州への越境攻撃が9日、4日目に入った。ウクライナ東部ドネツク州のコンスタンチノフカで9日撮影(2024年 ロイター/Stringer TPX IMAGES OF THE DAY)
Mark Trevelyan
[9日 ロイター] - ウクライナによるロシア西部クルスク州への越境攻撃が9日、4日目に入った。激しい戦闘が続く中、ロシア軍は追加的に戦車や大砲、ロケットシステムを同州に移動させ、応戦を続けている。
ロシアのインタファクス通信によると、国防省は「グラート」多連装ロケットシステムのほか、大砲や戦車などを配備した部隊をクルスク州に追加派遣していると発表した。
ウクライナは6日にクルスク州に対する地上越境攻撃を開始。今回の攻撃は、2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降で最大規模とみられている。
ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は2日前、プーチン大統領に対し、ウクライナの進撃は停止したと報告。ただ、ロシア国防省はこの日、ウクライナによるロシア領への侵攻の撃退はなお続いていると表明した。
ウクライナ系のテレグラムチャンネルは、クルスク州の高速道路にロシア軍のトラック約15台が焼け焦げた状態で止まっている動画を投稿。一部のトラックに遺体があるのが確認できる。
動画を投稿したテレグラムチャンネルは、米国がウクライナに供与した高機動ロケット砲システム「ハイマース」による攻撃を受けたとしている。ロシアの一部ブロガーも、ハイマースによる攻撃だったと指摘。無防備な状態で軍用車両を移動させる命令を出したことに非難の声が上がっている。
この動画はロイターも確認した。
国際問題戦略研究所(IISS)のアナリスト、ベン・バリー氏はロイターの電話インタビューに対し、ウクライナの広範な戦略目標はなお不明とした上で「ウクライナは明らかに驚異的な成果を上げた。ロシアの情報収集、監視、偵察能力が不十分であることが示された」とし、ロシアの弱点が露呈されたとの考えを示した。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、地理位置情報付きの映像とロシア側の説明から、ウクライナが8日にクルスク州で「急速な進撃を続けた」ことが示されたと報告。ロシアの情報筋も、ウクライナが国境から最大35キロの地点まで進攻したと伝えている。
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