米財政赤字とインフレ的通商政策が国債の重圧になる恐れ=PIMCO
ロイター / 2024年10月10日 7時48分
米国債にとって目先は金融緩和が追い風になるが、11月5日の大統領選後に財政赤字が膨らみ、インフレ的な通商政策が打ち出されれば、重圧が加わりかねない――。米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は9日公表した報告書でそんな見方を示した。写真は米ドル紙幣。2018年2月撮影のイメージ写真(2024年 ロイター/Jose Luis Gonzalez/Illustration)
Davide Barbuscia
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国債にとって目先は金融緩和が追い風になるが、11月5日の大統領選後に財政赤字が膨らみ、インフレ的な通商政策が打ち出されれば、重圧が加わりかねない――。米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は9日公表した報告書でそんな見方を示した。
PIMCOは、米経済のソフトランディング(軟着陸)に向けた軌道はなお強固で、景気減が予想以上に減速しても、米連邦準備理事会(FRB)がより大幅な利下げに動けば、債券には好材料になるとみている。
金利低下で恩恵を受ける期間5年などの中期債を選好するのがPIMCOの方針。ただ長期債の先行きは財政運営と通商政策次第でマイナスの影響を受ける恐れがあるという。
PIMCOのマネジングディレクター兼エコノミストのティファニー・ウィルディング氏とグローバル債券最高投資責任者のアンドルー・ボールズ氏は「大幅な財政赤字は相当な期間にわたって長期債利回りを押し上げてもおかしくない」と記した。
大統領選後の情勢についてPIMCOは、民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領のどちらが勝っても財政赤字が最大の問題になると予想し、高水準の政府債務が米国債のイールドカーブをスティープ化して短期債よりも長期債の値動きが低調になると説明した。
通商政策では、民主党候補のハリス副大統領が勝利すればバイデン政権のより的を絞ったアプローチを継続する公算が大きいが、民主党候補のトランプ前大統領が返り咲けば世界に混乱を巻き起こす可能性が大きくなると指摘。金融政策担当者が、輸入関税引き上げコストが消費者に転嫁されることによる短期的なインフレの上振れに留意する必要が出てくると警告した。
この記事に関連するニュース
-
米ピムコ、米長期国債の配分を減らして投資を多様化
ロイター / 2024年12月10日 9時55分
-
トランプ氏、財務副長官にフォーケンダー氏指名 元財務次官補
ロイター / 2024年12月5日 15時8分
-
来年1月始動のトランプ新政権…経済、市場、FRBにとって次は何が待ち構えているのか?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月4日 7時0分
-
アングル:トランプ氏の大規模減税、「債券自警団」がブレーキも
ロイター / 2024年11月26日 11時33分
-
トランプ劇場第二幕の始まり…第47代米国大統領に選出されるトランプ氏…就任後の政策は?国内インフレでドル高円安は避けられない
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月25日 11時15分
ランキング
-
1東大志望の彼「クリスマスに筆箱」でキレた深い訳 親御さんに知ってほしい「受験生へのNG行動」
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 7時50分
-
2船の浸水隠しから“最悪の結末” JR九州「日韓航路」から撤退へ 異形の新造船「クイーンビートル」はどうなる?
乗りものニュース / 2024年12月24日 7時12分
-
3ラーメン店が回転率を犠牲にしてでも「麺の硬さ」を選ばせるワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月23日 8時10分
-
4「さい銭箱にスマホ決済」で参拝風景が変わる将来 金融庁が「電子マネーの利用解禁」に向け準備中
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 8時0分
-
5フリーランスに求められるスキル 2位は「スマートフォン・モバイル制作」、1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月23日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください