韓国与党に支持回復の兆し、尹氏拘束失敗で保守層勢いづく
ロイター / 2025年1月9日 19時29分
弾劾訴追され職務停止となった韓国の尹錫悦大統領の拘束が実現せず、先行き不透明感が増していることで、尹氏の支持者が勇気づけられ、与党「国民の力」の支持に回復の兆しが見られている。大統領支持派のデモ、ソウルの大統領官邸近くで9日撮影。(2025 ロイター/Tyrone Siu)
Hyunsu Yim
[ソウル 9日 ロイター] - 弾劾訴追され職務停止となった韓国の尹錫悦大統領の拘束が実現せず、先行き不透明感が増していることで、尹氏の支持者が勇気づけられ、与党「国民の力」の支持に回復の兆しが見られている。
9日に発表された全国指標調査(NBS)によれば、回答者の59%が尹氏の拘束を望んでおり、37%は拘束は行き過ぎと答えた。
尹氏の弾劾訴追から数週間を経て、国民の力の支持率が回復している。一部のアナリストは、年内に大統領選が行われる可能性を見据えて保守派が団結する兆候を示していると分析している。
韓国外国語大学のメイソン・リチー教授は、「尹氏を拘束しようとしたことで、保守派が再び活気づいたようだ」と述べた。
与党の支持率回復の背景には、尹氏の戒厳令布告に賛同する岩盤支持層に加え、野党「共に民主党」の李在明代表が大統領になることを懸念する消極的な支持層の存在があるとの見方を示した。
「尹氏が拘束されていたら、保守派は弾劾訴追に続いて2度目の敗北を喫し、復活の勢いはすぐに失われていただろう。拘束の試みが失敗すればするほど、保守派は復活を強く感じるだろう」と語った。
6日に発表されたリアルメーターの世論調査によると、国民の力の支持率は34.4%で、3週連続で上昇した。一方、最大野党の共に民主党の支持率は45.2%だった。
韓国の世論調査機関の大半は、尹氏の弾劾訴追以降、同氏の支持率を公表していないが、一部の調査ではここ数日、尹氏個人の支持率が上昇している。
ユーラシア・グループの北東アジア担当シニアアナリスト、ジェレミー・チャン氏は、尹氏の拘束に向けたさらなる試みは、同氏と与党の支持を「活気づける」だけだろうと述べた。
仁川大学のイ・ジュンハン教授(政治学)は国民の力の復調について、2017年に朴槿恵元大統領が弾劾された後の選挙で保守政党が大敗した経験があるため、保守層の間で危機感が高まっているとの見方を示した。
この記事に関連するニュース
-
韓国「尹大統領」を逮捕できない捜査当局のお粗末 警察とは足並みが揃わず、ツッコミどころ満載
東洋経済オンライン / 2025年1月9日 18時40分
-
大統領支持率、40%?=調査手法が影響か―深まる分断、保守回復傾向・韓国
時事通信 / 2025年1月8日 19時28分
-
韓国・尹大統領の支持率は40%台回復か 一部世論調査報道、野党は手法を問題視し告発へ
産経ニュース / 2025年1月7日 18時54分
-
「韓国の信頼や経済に深刻な打撃」党利党略で大統領代行まで職務停止、前例なき政治混乱
産経ニュース / 2024年12月27日 18時52分
-
なぜ韓国の大統領は「汚職→失脚」を繰り返すのか…日本では考えられない「縁故がモノを言う」腐敗の構造問題
プレジデントオンライン / 2024年12月16日 9時15分
ランキング
-
1中国の戦狼外交は「大失敗」「孤立していった」 駐日米大使、各国との連携網構築を強調
産経ニュース / 2025年1月9日 18時8分
-
2「ハルマゲドンです」13万人以上の住民に避難命令 ロサンゼルス山火事被害拡大 建物1000棟以上が焼け5人の死亡確認
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月10日 0時3分
-
3米大使館、グリーンランドでの軍事プレゼンス強化を否定
ロイター / 2025年1月10日 2時56分
-
4トランプ氏、不仲のペンス氏と握手 カーター氏国葬で
ロイター / 2025年1月10日 3時2分
-
5レバノン大統領に軍司令官=ヒズボラの影響力低下
時事通信 / 2025年1月9日 23時19分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください