ファストリ、通期営業益見通し下方修正 コロナ終息時期が左右
ロイター / 2020年4月9日 17時56分
4月9日、ファーストリテイリングは、2020年8月期(国際会計基準、IFRS)の連結営業利益予想を前年比43.7%減の1450億円へ下方修正すると発表した。写真はソウルで2019年10月撮影(2020年 ロイター/Heo Ran)
[東京 9日 ロイター] - ファーストリテイリング<9983.T>は9日、2020年8月期の営業利益見通しを前年比43.7%減の1450億円に方修正した。これまでは同4.9%減の2450億円を見込んでいた。下方修正は今期2回目。新型コロナウイルス感染拡大で5月まで大幅減収を見込む。
岡崎健・最高財務責任者(CFO)は「6月以降終息していく前提」と説明。感染の動向によっては再度予想が変動する可能性がある。
海外ユニクロ事業は、下期、通期ともに大幅な減収減益を見込んでいる。中国圏でも、引き続き減収減益を予想。中国では、2月12日のピーク時には370店舗が臨時休業していた。一方で、同国での新型コロナの影響は終息の兆しもみえており3月にはわずかな反動需要もみられた。岡崎CFOは「(今後)確実に需要は戻ってくる」と述べ、中国工場も80-90%は回復していると説明した。
北米事業は、赤字幅が大幅に拡大することが予想される。米国の全50店舗は3月17日から休業中で、再開時期も未定としている。
国内ユニクロ事業も、下期、通期で減収減益を予想。3月28日から29日の週末は首都圏を中心に63店舗を臨時休業したことで、客数は大幅に減少し、3月の既存店売上高は前年同月比27.8%減となった。[nL4N2BU1MK]
現時点では、政府が東京都などの7都府県に発令した緊急事態宣言を受け対象地域にある188店舗を一時休業、192店舗の営業時間を縮小している。
2019年9月─20年2月期の連結営業利益は、前年同期比20.9%減の1367億円、売上収益は同4.7%減の1兆2085億円だった。上期は暖冬の影響で防寒衣料の販売に苦戦した。
今後新型コロナが経済に与える影響について、柳井正・ 代表取締役会長兼社長は、「戦後最大の人類の危機」と表現し、世界中がどう対応し行動していくかがカギとなるとの認識を示した。
*内容を追加しました。
(新田裕貴)
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