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米FRBと英中銀、新型コロナ対策強化 一段と未踏の領域に

ロイター / 2020年4月10日 8時46分

4月9日、米連邦準備理事会(FRB)とイングランド銀行(英中銀)は、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響軽減に向けた緊急対策を強化し、リスクをはらむとされる領域に一段と踏み込んだ。写真は英ポンドと米ドル紙幣。3月撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン/ロンドン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)とイングランド銀行(英中銀)は9日、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響軽減に向けた緊急対策を強化し、リスクをはらむとされる領域に一段と踏み込んだ。

FRBは、新型コロナ対策の一環として、地方政府のほか、中小企業を含む一般企業に対する総額2兆3000億ドルの支援策を打ち出した。感染防止策の影響で米経済活動の大部分が停止する中、これまでで最も大胆な措置に踏み切った。

英中銀は、新型コロナ対応の一時的な措置として、政府に対し、国債発行による資金調達が困難になった場合に資金を融資すると表明。2008年の世界金融危機時に使った措置を再び導入する。

世界各国の中銀が自国経済の支援に動く中、FRBのパウエル議長は、中銀がインフレ加速を招いたり、企業のビジネス手法をゆがめたりするリスクを冒しているとの見方を否定した。

銀行システムの破綻がもたらした10年以上前の世界的な金融危機とは異なり、今回の経済悪化は新型コロナ感染拡大を防ぐため各国政府が全国民を対象に導入した社会的距離を確保する措置に起因している。多くの人が失業に直面、好調だった企業が突然破綻寸前の状態に追い込まれるなど経済に甚大な影響が及んでいる。

パウエル議長は米シンクタンクのブルッキングス研究所が主催したオンラインのイベントで、「彼ら全員を支援するべきだ。彼らがこの状況を引き起こしたのではない」と指摘。「米国の強力な資金力はそのためのものだ。苦境に陥っている人々を守る」と述べた。

FRBは、地方政府支援には地方債購入を通じて最大5000億ドルを振り向ける。企業支援では、民間銀行を通して合計で最大6000億ドルの融資を実施する。

アナリストらはFRBがリスクの高い融資に慎重な従来の姿勢を脇に置き、経済を支援する可能性のある資産は何でも買い入れる構えのようだと指摘している。

ただパウエル議長はこうした措置は一時的な対応と強調。新型コロナが封じ込められ、景気回復が進めば「こうした緊急用ツールは解除する」と述べた。

他の中銀当局者も同様の立場だ。

英中銀は財務省との共同声明で「新型コロナで混乱している間、一時的措置として、政府のキャッシュフローを円滑にし、市場の秩序ある機能を支援するため必要に応じて短期の追加流動性原資を政府に提供する」と表明。財政ファイナンスに関与しているとの見方に配慮し、政府が資金を借り入れた場合は年末までに返済されると強調した。

エコノミストは、英中銀の措置が政府の新型コロナ対策を支援する実用的で一時的な措置となるか、中銀の独立性を維持した時代の終わりを示すものになるかは時間が経てば分かると指摘している。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・デールズ氏は「典型的なヘリコプターマネーの3つの要素のうち2つが整った。政府は支出を拡大し、中銀が資金を生み出すことでそれをファイナンスしている。中銀マネーの拡大がパーマネントになるかどうかという3つ目はまだ明らかではない」と語った。

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