コロナ追加対策でトランプ氏が大統領令、失業給付上乗せ復活
ロイター / 2020年8月9日 15時35分
8月8日、トランプ米大統領は失業保険給付の上乗せなど追加の新型コロナウイルス経済対策を実施する大統領令に署名した。8月8日、ニュージャージー州ベドミンスターのゴルフ場で撮影(2020年 ロイター/Joshua Roberts)
Jeff Mason
[べドミンスター(ニュージャージー州) 8日 ロイター] - トランプ米大統領は8日、失業保険給付の上乗せなど追加の新型コロナウイルス経済対策を実施する大統領令に署名した。追加対策を巡っては野党・民主党との協議が難航し、7日に決裂していた。
追加対策では7月に失効した失業給付金の上乗せ措置を復活。従来よりも200ドル少ない週400ドルで続ける。
「これは必要とされている金であり、望まれている金だ。失業者が仕事に戻ろうとするインセンティブになる」と、トランプ大統領は給付額を減らした上乗せ措置について語った。25%は州が負担するとしている。
共和党はかねてから、高額給付は失業者の求職意欲を損なうと主張してきたが、連邦準備理事会(FRB)の当局者やエコノミストは反論している。
トランプ氏が署名した経済対策にはこのほか、年収10万ドル以下を対象にした給与税の徴収停止、連邦機関が財政支援する賃貸住宅からの立ち退き猶予、連邦政府が融資する学生ローンの利払い免除延長が含まれる。
憲法上、連邦政府の支出は議会に権限があるため、一部の対策は法的な問題に直面する可能性がある。
民主党からは、経済対策の権限を議会から奪ったとしてトランプ氏を批判する声が出ている。「30万人の失業者に週600ドルの給付する措置を延長できなかったことから、違法な大統領令で目をそらそうとしている」と、上院財政委員会のロン・ワイデン筆頭理事は語った。
大統領選でトランプ氏と戦う民主党のバイデン前副大統領は、「中途半端な措置」と指摘。追加対策の資金源となる給与税の徴収を遅らせることで、社会保障制度に「重大なリスク」を招くと非難した。
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