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中国6月PPI、前年比伸びやや鈍化 資源高でインフレ圧力続く

ロイター / 2021年7月9日 13時48分

[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した6月の生産者物価指数(PPI)は前年比8.8%上昇し、前月の9.0%から伸びがやや鈍化したものの、ロイター調査のアナリスト予想と一致した。企業への圧力は若干和らいだ格好だが、原材料価格の高止まりが新型コロナウイルス禍からの景気回復を妨げる可能性はまだある。

6月PPIは前月比では0.3%上昇し、5月の1.6%上昇から大幅に和らいだ。

世界的な資金余りと多くの国でコロナのロックダウンが緩和される中、鉄鋼や銅などのコモディティー価格はここ数カ月で急激に上昇していたが、政府が価格抑制に動いたことで下落した。

国家統計局の董莉娟氏は、石油・天然ガス採掘、鉄および非鉄金属の溶錬・加工業界で価格上昇が鈍化したと指摘。コモディティーの供給を確保し価格を安定させるという国内政策が市場の需給改善を促し、鉱工業製品の価格上昇を鈍化させたとの見方を示した。

ただ、アナリストの間では、供給逼迫とコロナ禍から回復する国の需要拡大という不均衡が続く中、政府の価格抑制策による影響は限定的という見方もある。

中原銀行のチーフエコノミスト、Wang Jun氏は「PPIは6月も高止まりし、顕著な低下は見られなかった」とし、今年下期は前年比7%を上回る水準で推移すると予想。「最近のコモディティー価格の変化にもかかわらず、下期に価格上昇が再び加速する可能性は排除できない」として、PPIの再上昇に警戒感を示した。

コメルツ銀行のアジア新興国担当シニアエコノミスト、Hao Zhou氏は、最近の国際原油価格の上昇を踏まえ、下期のPPIは8─9%前後に高止まりするとの見方を示した。

PPIの上昇が続く中、中国政府はコスト上昇分を消費者に転嫁できない多くの零細企業が打撃を受ける可能性を警戒している。そうした中、コロナ後の中国の回復失速を懸念する見方も出ている。

中国国務院(内閣に相当)は7日、銀行預金準備率(RRR)の引き下げを含む金融政策手段を適時に活用し、中小企業を中心とする実体経済への金融支援を一段と強化すると発表。また、コモディティー価格上昇への対応支援に向け、中小企業の資金調達コストを引き下げると表明した。

一方、6月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.1%上昇した。こちらも前月から伸びが鈍化し、工業製品の価格上昇分の消費者転嫁が限定されていることが示された。ロイター調査では1.3%上昇が予想されていた。

中国CPIの主要構成要素である豚肉価格はここ数カ月下落傾向にあり、6月の食品価格は前年比1.7%下落した。

中国国家発展改革委員会(発改委、NDRC)は先月、急落している豚肉価格を下支えするため、中央・地方政府が国家備蓄用に豚肉の購入を開始すると発表した。

変動の大きい食品やエネルギーを除いた6月のコアCPIは0.9%上昇で、前月と変わらなかった。

中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は先月、インフレは「基本的に制御」されており、通常の金融政策を堅持すると表明。今年のインフレ率は2%を下回ると予想した。

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