午後3時のドル110円付近、リスクオフ環境で買い戻しに慎重
ロイター / 2021年7月9日 15時29分
[東京 9日 ロイター] -
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 109.99/01 1.1832/36 130.17/21
午前9時現在 109.79/81 1.1844/48 130.05/09
NY午後5時 109.79/82 1.1842/46 130.01/05
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル高/円安の110円付近。昨日の東京市場終盤から海外市場にかけてドルは1円安となったが、きょうは国内勢の買いや米長期金利の持ち直しに支えられ、小幅に反発した。ただ、株安や米中関係の悪化などのリスク要因に変化はないため、ドルの買い戻しの動きは慎重だった。
ドルは安値109.75円から110.09円まで反発したが、110円台ではドルを売りそびれた向きの売りオーダーが重しとなった。
市場では「このところのリスク回避地合いには、米中関係の悪化も一役買っている」(外為アナリスト)との声が聞かれた。
複数の関係筋によると、バイデン米政権は早ければ9日にも、少なくとも10の中国企業・機関を経済ブラックリスト(エンティティー・リスト)に追加する。新疆ウイグル自治区での人権侵害疑惑とハイテク監視疑惑が理由。
今後について、FXcoin取締役、上田眞理人氏は「金融市場では参加者のリスク許容度が顕著に低下し、グローバルな株価やリスク資産の下落と金利低下が同時に進むリスクオフの流れが広がっている」とし、為替相場はリスクポジションの手じまいに影響されているとの見方を示した。
リスクオフ環境で円が買われやすいことに鑑みて、ドルが109円を割り込む余地は十分あると同氏はみているが、「リスクオフの根本原因がコロナ変異株の感染拡大による各国経済の先行き懸念ということであれば、いつまでものんきに円を買っている場合ではないということに、投機筋もいずれ気が付くだろう」と述べた。
野村証券のチーフ為替ストラテジスト、後藤祐二朗氏は、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)期待が後退したり、景況感が大幅に悪化したりすれば金利の下押し圧力で108―106円までドル安/円高が進む可能性もあるが、FRBのタカ派姿が崩れない限り、ドルはしっかりした値動きが続くと予想する。
リスクオフ姿勢の強まりで、クロス円では円高圧力が強まった。豪ドル/円は一時81円前半と約5カ月ぶりの安値を付けた。
ユーロ/円は前日129.63円と3カ月ぶり安値を付けたが、前日までの5営業日連続で下落したため、きょうは買い戻しが先行して130円前半中心の取引だった。
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