経常収支12月は5240億円の黒字、新型肺炎で1月サービス収支圧迫も
ロイター / 2020年2月10日 13時1分
[東京 10日 ロイター] - 財務省が10日発表した国際収支状況速報によると、2019年12月の経常収支は5240億円の黒字となった。ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は4170億円程度の黒字で、予測を上回る黒字幅となった。サービス収支の黒字転換で前年対比で黒字幅が拡大したが、新型肺炎の拡大により1月のサービス収支は圧迫される可能性が出ている。
経常収支の黒字は前年同月比596億円増。貿易・サービス収支は1452億円の黒字(黒字額は前年同月比353億円増)、サービス収支は245億円の黒字(前年同月は1081億円の赤字)で、サービス収支の黒字化が経常黒字の拡大に貢献した。
財務省によると、訪日外国人観光客の増加と、海外での研究開発費やコンサルティング費用などの赤字幅縮小が、サービス収支の黒字化に寄与したという。
2019年の経常収支は20兆0597億円の黒字。前年比8375億円の黒字幅拡大となった。サービス収支は1758億円の黒字。前年は8062億円の赤字だったが、比較可能な1996年以降、暦年で初めて黒字に転化した。19年後半には、日韓関係の悪化で韓国人訪日客が減少したが、ラグビーワールドカップ開催により、19年全体としての訪日外国人旅行者数は前年比2.2%増となった。
訪日観光客の増加がサービス収支の押し上げにつながってきたが、新型肺炎の拡大がリスク要因として市場では懸念されている。財務省幹部は、訪日中国人観光客の減少が、1月の旅行収支ではマイナスの方向に寄与する可能性もあるとの見方を示した。
(浜田寛子 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)
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