4月機械受注は6年ぶり低水準、「足元は弱含んでいる」に判断修正
ロイター / 2020年6月10日 11時18分
6月10日、内閣府が発表した4月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比12.0%減となった。都内で2010年8月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した4月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比12.0%減となった。ロイターの事前予測8.6%減を下回った。前年比では17.7%減と大幅に減少しており、受注額も7526億円と、2014年5月の7208億円以来の低水準となった。内閣府は、機械受注の判断を「足元は弱含んでいる」に修正した。
製造業からの受注は2.6%減。汎用・生産用機械や、自動車関連、輸送用機械、非鉄金属などが減少し、全体が押し下げられた。
非製造業(船舶・電力を除く)は20.2%減と3カ月ぶりの減少。 遡及可能な05年度以降では最大の減少率となった。前月に鉄道車両などの大型受注が相次いだことで、それらがはく落したことも背景。
外需も前月比21.6%の大幅減。2カ月連続の減少となっている。
景気の悪化で設備投資計画を見直す動きが広がっているうえに、緊急事態宣言を受けて商談が遅れていることも下押し要因だ。資金繰りが一段と悪化する企業が増加し、設備投資を取りやめる動きも想定される。すでに昨年7-9月期以降、四半期での国内民需受注額は前期比割れを続けているが、農林中金総合研究所の南武志・主席研究員は「4四半期連続のマイナスはもはや不可避」とみている。
5月に緊急事態宣言が解除されたとはいえ、新型コロナウイルス感染の第2波の恐れなど、内外景気の先行き不透明感は強く、当面、設備投資は弱含んで推移するとの見方が広がっている。
機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。
*内閣府の発表資料は以下のURLでご覧になれます。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/menu_juchu.html
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