中国新規銀行融資、5月は減少 社会融資総量は伸び加速

６月１０日、中国人民銀行（中央銀行）が発表した５月の新規人民元建て融資は４月から減少すたが、銀行融資以外も含めた全体的な与信は伸びが加速した。北京の中国人民銀行前で２月撮影（２０２０年　ロイター/Jason Lee）

［北京　１０日　ロイター］ - 中国人民銀行（中央銀行）が発表した５月の新規人民元建て融資は４月から減少すたが、銀行融資以外も含めた全体的な与信は伸びが加速した。

５月の新規銀行融資は１兆４８００億元（２０９４億７０００万ドル）。４月（１兆７０００億元）から減少、アナリスト予想（１兆５０００億元）も下回った。前年同月は１兆１８００億元だった。

住宅ローンを中心とする家計向け融資は７０４３億元で４月（６６６９億元）から増加した。企業向け融資は９５６３億元から８４５９億元に減少した。

マネーサプライＭ２の前年比伸び率は４月と同じく１１．１％。アナリスト予想は１１．３％だった。

５月末時点の人民元建て融資残高は前年比１３．２％増でアナリスト予想と一致した。４月は１３．１％増だった。

人民銀行は２月上旬から、新型コロナウイルス危機を受けて銀行預金準備率や貸出指標金利の引き下げなどさまざまな緩和措置を講じているが、潘功勝副総裁は先週、経済的打撃は当初の想定より大きく、金融面と信用面の政策支援がさらに必要との認識を示した。

銀行融資のほか、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む社会融資総量は５月末時点で前年比１２．５％増。４月は１２％増だった。

５月の社会融資総量は３兆１９００億元で、４月（３兆０９００億元）から増加した。アナリストの予想は３兆元だった。