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ECB、ユーロ高は経済情勢に整合的と判断 現時点で看過=関係筋

ロイター / 2020年9月11日 4時2分

欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で、ユーロの上昇は経済ファンダメンタルズとおおむね整合的と判断し、米国との「通貨戦争」が発生しないよう、ユーロ高を現時点では看過することで一致したことが複数の関係筋の話で分かった。2016年3月撮影(2020年 ロイター/Phil Noble)

[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で、ユーロの上昇は経済ファンダメンタルズとおおむね整合的と判断し、米国との「通貨戦争」が発生しないよう、ユーロ高を現時点では看過することで一致したことが複数の関係筋の話で分かった。

ECBはこの日の理事会で緩和政策の維持を決定。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、ECBはユーロ高の影響を注意深く見守っているとし、「ユーロ高が物価にマイナスの圧力になるほどなら、注意深く監視しなければならないことは明らかで、理事会で広範囲に議論した」と述べた。

ラガルド氏の発言を受け、ユーロ は一時1.1916ドルまで上昇した。

ECB理事会に関与している4人の関係筋によると、今回の理事会で、政策当局者はユーロ高がインフレと経済成長に及ぼすマイナスの影響について認識したものの、ユーロ高は欧州経済が米経済よりも良好であることに加え、米連邦準備理事会(FRB)の緩和的な政策スタンスへの期待が出ていることを正確に反映したものとの全般的な見解の一致があった。

このほか、ユーロ加盟19カ国が新型コロナウイルス感染拡大にうまく対応したことで信頼感が増していること、11月の米大統領選挙を前に先行き不透明感が高まっていることにも言及。「ECBは為替相場に無関心ではないが、通貨戦争を仕掛ける用意はない」と述べた。

関係筋は、1ユーロ=1.20ドルという水準は、現時点では均衡為替レートからそれほど乖離していないとしている。

このほか、経済見通しについて理事会内に見解の相違があったと指摘。ドイツ、フランス、オランダなどの中核国が前向きな見通しを示した一方、ユーロ圏南部の国は悲観的で、レーン専務理事兼主任エコノミストが中間点に立っていたと述べた。

また、ECBのドラギ前総裁が為替相場のボラティリティーを「不確実性の源」と形容した文言を踏襲することも今回の理事会で検討されたが、これほど強くない文言を使うことで合意。声明で「為替相場の動向を含む入手可能な情報を注意深く検証する」とするにとどめた。

関係筋はこのほか、ECB理事は年内に政策スタンスを改めるとの見方を変えていないと指摘。利下げを巡る討議がない中で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)が現在では政策ツールの一つと見なされていると述べた。

ECBが進めている戦略見直しについては、FRBの新戦略を考慮に入れる必要があるとの見解が示されたことも明らかにした。

関係筋の話について、ECB報道官はコメントを控えた。

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