北朝鮮が未明に軍事パレード、巨大なICBMを公開
ロイター / 2020年10月11日 0時56分
[ソウル 10日 ロイター] - 北朝鮮は10日に実施した未明の軍事パレードで、初めて公開する大型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を披露した。北朝鮮がこの時間帯に軍事パレードを行うのは異例。
北朝鮮国営ニュースの朝鮮中央通信が10日夜、映像を公開した。
ミサイルは11の車軸を有する運搬車が運んでおり、専門家によると、運用可能になれば陸上発射型のICBMとしては世界最大級の1つとなる。
「このミサイルは怪物だ」と、平和団体オープン・ニュークリア・ネットワークのメリッサ・ハンナム副所長は言う。
パレードではこのほか、北にとって最長射程となる火星15号、さらに潜水艦発射型ミサイル(SLBM)とみられる装備も披露した。
米政府高官は、ICBMが登場したことに「失望」の意を示し、朝鮮半島の完全な非核化を実現するよう、米政府に交渉するよう呼びかけた。
北朝鮮が弾道ミサイルを公開するのは、金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領が2018年6月ににシンガポールで会談して以来初めて。金委員長は「わが国の抑止力と自衛力を強化し続けていく」と語った。一方で、軍事力を先制使用することはないとした。
金氏は経済発展の約束を果たせていない理由として、国際社会による制裁措置、台風、新型コロナウイルスを挙げた。その上で「多くの信頼に応えることができていないのは遺憾だ」とした。「私の努力と献身は、苦しい状況から国民が抜け出すのに十分ではなかった」と述べた。
映像は、深夜に金委員長が姿をみせる様子を伝えた。金氏はグレーのスーツとネクタイ姿。平壌の金日成広場で軍関係者に囲まれながら群衆に手を振り、子供たちから花束を受け取った。
パレードは高度に演出されたもので、数千人規模の軍隊が隊列を組んで行進し、新型の戦車などを披露、戦闘機が照明弾を放った。
専門家は新たに公開されたICBMについて、多弾頭を搭載できる可能性を指摘する。複数の標的を同時に狙えるようになり、迎撃する側にとっては難しさが増す。
米政府で北朝鮮の情報収集をしていたマーカス・ガーラウスカス氏は、新型ミサイルは北の弾頭が米国本土に届くかどうかという疑念を払しょくするために披露された可能性があると指摘。このミサイルを試射する用意があることを示唆したとの見方を示した。
「もし火星15号が『超巨大な弾頭』を運搬できるとしたら、さらに大きなこのミサイルは何を搭載可能なのかという疑問に当然ながら行き着く」と、ガーラウスカス氏は語る。
金委員長は、自然災害と新型コロナに対応する軍に感謝しながら、感情的になる場面があった。金氏は、北朝鮮国内で1人も新型コロナの陽性者が出ていないことに謝辞を表明した。米国も韓国も、誰も感染していないとする北の主張を疑問視している。
この軍事パレードではマスク姿の聴衆は確認されていない。
金氏は、パンデミック(感染症の世界的流行)が終息した暁には韓国と再び手を取り合うことに期待を示した。
この記事に関連するニュース
-
北朝鮮の欠陥ノーコン弾道ミサイル、遂に首都を脅かす。打ち上げ失敗で「平壌の方に落下したようだ」と韓国軍
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月2日 17時11分
-
北朝鮮「超大型弾頭」実験と主張 月内に再びミサイル発射計画
共同通信 / 2024年7月2日 11時57分
-
北朝鮮、新型「重量級弾頭ミサイル」発射実験に成功と主張
デイリーNKジャパン / 2024年7月2日 11時54分
-
北朝鮮、新型弾道ミサイル発射に成功と発表 超大型弾頭の搭載可能
ロイター / 2024年7月2日 9時6分
-
北朝鮮、新型弾道ミサイル発射実験に成功 超大型弾頭の搭載可能
ロイター / 2024年7月2日 7時25分
ランキング
-
1高速鉄道TGVの破壊行為関与か、極左活動家の男を拘束 フランス当局、工具など所持
産経ニュース / 2024年7月29日 20時43分
-
2フランス一部通信設備に破壊行為 ケーブル切断 26日との関連不明
ロイター / 2024年7月29日 20時22分
-
3日台の絆「ますます深く」=地方議員サミットでメッセージ―頼総統
時事通信 / 2024年7月29日 22時13分
-
4ハリス米副大統領の偽動画拡散=Xでマスク氏、オーナー自ら規約違反か―米大統領選
時事通信 / 2024年7月29日 15時10分
-
5列車がトラックと衝突し脱線 約140人ケガ ロシア・ボルゴグラード州
日テレNEWS NNN / 2024年7月29日 23時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください