米原油先物は下落、目先の需要を懸念
ロイター / 2020年11月10日 11時47分
11月10日 アジア時間の米原油先物は下落。新型コロナウイルスの流行で欧米経済が打撃を受けており、目先の需要に対する懸念が浮上している。写真は2018年8月、米テキサス州ミッドランドで撮影(2020年 ロイター/Nick Oxford)
[メルボルン 10日 ロイター] - アジア時間の米原油先物は下落。新型コロナウイルスの流行で欧米経済が打撃を受けており、目先の需要に対する懸念が浮上している。
前日の米国市場では、新型コロナワクチンへの期待から約8%急騰していた。
0139GMT(日本時間午前10時39分)現在、米原油先物
JPモルガンはリポートで「有効なワクチンが開発されれば、間違いなく石油市場の流れが変わる。需要の半分は人やモノの移動に伴うものだ」と指摘。
ただ「以前にも指摘したように、石油市場はまず、現在の需給の不均衡を克服する必要がある。その後1-2年かけて価格が上昇する可能性がある」と述べた。
ライスタッド・エナジーは、欧州のロックダウン(都市封鎖)により、年内の需要がさらに日量100万バレル減少する可能性があるが、ワクチンが入手可能になるには、あと数カ月かかるだろうとの見方を示した。
同社の石油市場部門トップは「複数のワクチンが緊急使用許可を得られても、米国の多くの州で今年秋から冬にかけて何らかの形のロックダウンが再導入するされるリスクが低下するわけではない」と述べた。
米石油協会(API)とエネルギー情報局(EIA)はそれぞれ10日、11日に米石油在庫統計を発表する。
ロイターのアナリスト調査によると、11月6日までの1週間の米原油在庫は130万バレル減少する見通し。
ただ、サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相の発言が市場の支援材料となっている。同相は9日、ワクチンが入手可能になる前に需要が減少すれば、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が市場への供給を減らす可能性があると述べた。
OPECプラスは次回、11月30日ー12月1日に会合を開く。
INGのエコノミストはリポートで「今月末のOPECプラスの会合まで原油の上昇が続けば、一部の参加国は、来年も今の減産を続けることに消極的になるかもしれない。そうなれば来年第1・四半期の市場が脆弱になり、自滅的な結果に終わるかもしれない」と述べた。
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