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NY市場サマリー(10日)ドル2周間ぶり安値、S&P・ナスダックは小幅安

ロイター / 2021年2月11日 7時32分

[10日 ロイター] -

<為替> 緩慢なインフレ指標と国債利回り低下が重しとなり、ドルが2週間ぶり安値を付けた。

午後の米債市場では10年債利回りが約2ベーシスポイント(bp)低下の1.137%。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10日行った講演は全体的にハト派的な発言で、最大雇用と物価目標の達成まで金利を現在の水準に維持すると改めて確認した。

1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致。ガソリンが値を上げた一方、航空運賃が下がり全体を抑制した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働市場とサービス産業が打撃を受ける中、物価上昇はしばらく弱めの状態が続くことを示唆し、ドルを押し下げた。

クラリティーFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「ドルは勢いを失っており、基調的に弱いトレンドが続くだろう。今日の動きはCPIが中心だった」と述べた。

ドル指数は90.249まで下落して3日続落。終盤では0.1%安の90.377で推移した。先週までは年初来で2%超上昇していた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.7%安の4万5208ドル。米電気自動車のテスラがビットコインへの投資を発表したことを受け、前日には4万8216ドルの最高値を付けていた。イーサリアムもこの日、最高値を更新したが、直近では1.5%安の1746ドル。

ドルは対円で0.1%高の104.64円。円は一時1月29日以来の高値を付ける場面もあった。

ユーロは3日続伸し、小幅高の1.2126ドル。英ポンドは1.3865ドルまで上げ、3年ぶり高値を更新。終盤は0.2%高の1.3840ドル。

<債券> 指標10年債利回りが低下した。1月のインフレ指標の伸びが引き続き緩慢だったことを受け、物価圧力の高まりを想定していた投資家が失望した。

米労働省が10日に発表した1月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致した。ガソリンが値を上げた一方、航空運賃が下がり全体を抑制した。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は、2カ月連続で横ばいだった。

ジェフリーズの短期金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は、ここ数カ月間でインフレ高進の見方が高まっていたが、今回の発表を受け失望感が広がったと指摘。「少なくとも経済再開が一段と広がり事態が正常化するまでは、低インフレ環境に逆戻りするとの見方を織り込むだろう」と述べた。

市場ではバイデン大統領と民主党が1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス救済法案を実施し、制限措置解除後に事業が再開されることでインフレ率が上昇するとの見方が広がっていた。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は、財政刺激策がなお注目されているとした上で、「市場が1兆9000億ドル全額の救済法案を完全に織り込んでいるとは思えない。規模が小さい法案での超党派合意の可能性を依然として模索している」と語った。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日、米雇用市場の回復に向け「官民双方の寄与と共に、社会全体のコミットメントが必要」との見解を表明。緩和政策を維持する方針を改めて示したことも利回り低下につながった。

指標10年債利回りは1.135%に低下。一時1.176%に上昇する場面があったが、8日に付けた11カ月ぶりの高水準である1.200%には届かなかった。

米国の向こう10年間の平均年間インフレ率の見通しを示す10年物米物価連動債(TIPS)のブレークイーブン・インフレ率(BEI)も2.20%に低下。序盤には2.21%に上昇し2014年以来の高水準となった。

財務省がこの日実施した410億ドルの10年債入札は、最高落札利回りが1.155%と、入札前取引の水準をやや下回り堅調な需要が示された。

11日には30年債(270億ドル)入札が予定されている。

<株式> S&P総合500種とナスダック総合が小幅に下落した。エネルギー株が上げる一方、金融株が下げたほか、テクノロジー大手にも売りが続いた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日、雇用市場の回復に向け「官民双方の寄与と共に、社会全体のコミットメントが必要」との見解を示した。

グレンミードのプライベートウェルス部門最高投資責任者(CIO)、ジェイソン・プライド氏は、パウエル議長が持続的な物価上昇まで金利を据え置くFRBの姿勢を改めて示したとし、「驚くことはない」と話した。

大手テクノロジー株が安く、テスラは5.3%の大幅安になったほか、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アップルが0.5%前後下げ、ナスダックの下落要因になったほか、S&P500の重しになった。

セクター別では一般消費財が0.9%、情報技術が0.2%それぞれ下落。一方、エネルギーが1.8%上げ、通信サービスも0.6%上昇した。

バーンセン・グループのデビッド・バーンセンCIOは、「市場全体がまだテクノロジー大手に依存しているのか。その答えはますます『ノー』になりつつあり、市場を主導する幅が広がっている」と指摘。「S&P500採用銘柄の75%以上が200日移動平均線を上回っており、これは驚くべきことだ」と述べた。

1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致。ガソリンが値を上げた一方、航空運賃が下がり全体を抑制した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働市場とサービス産業が打撃を受ける中、物価上昇はしばらく弱めの状態が続くことを示唆した。

個別銘柄ではツイッターが13%急伸。9日の第4・四半期決算発表に合わせ、今年第1・四半期について堅調な見通しを示した。また、同社のシーガル最高財務責任者(CFO)は10日、バランスシート上に暗号資産(仮想通貨)のビットコインを保有することを検討したが、まだ実行には移していないと明かした。

配車サービス大手リフトは4.7%高。2021年末までに調整後損益ベースで黒字化するとの目標を堅持した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.11対1の比率で上回った。ナスダックでは1.30対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は183億3000万株だった。

<金先物> 対ユーロでのドル下落に伴う割安感などに支えられ、4営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比5.20ドル(0.28%)高の1オンス=1842.70ドル。

朝方発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致。変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は横ばい、前年同月比では1.5%上昇となり、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を大きく下回った。この統計を受け、外国為替市場ではドル売り・ユーロ買いが進行。金塊相場は割安感に支えられ、一時1856.60ドルの高値を付けた。

しかし、午後にパウエルFRB議長の講演を控え、その後は速いペースで上げ幅を削る展開。いったんマイナス圏に沈んだが、終盤にかけて徐々に小高い水準に戻した。金塊現物相場は午後1時31分現在、6.730ドル高の1842.045ドル。

<米原油先物> 需給引き締まり観測などを背景に買われ、8営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.32ドル(0.55%)高の1バレル=58.68ドル。2019年1月の9日続伸以来、2年ぶりの連騰となった。4月物は0.32ドル高の58.57ドルとなった。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比660万バレル減と、市場予想(ロイター通信拡大版調べ)の100万バレル増に反して取り崩しとなった。EIAが前日に発表した2021年の原油生産量見通しが下方修正されたことも重なり、需給不均衡に対する警戒感が後退、原油が買われた。

ガソリン在庫は430万バレル増(市場予想180万バレル増)と大幅な積み増しとなった一方、ディスティレート(留出油)は170万バレル減(同80万バレル減)となった。

ただ、原油相場はこのところの上昇で1年ぶりの高値圏となっており、60ドル台の心理的な節目を目前に高値警戒感から利益確定の売りも出やすく、上値は重かった。

ドル/円 NY終値 104.57/104.61

始値 104.76

高値 104.82

安値 104.55

ユーロ/ドル NY終値 1.2116/1.2120

始値 1.2123

高値 1.2139

安値 1.2114

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 93*18.00 1.9096%

前営業日終値 92*24.00 1.9470%

10年債(指標銘柄) 17時05分 97*22.50 1.1242%

前営業日終値 97*13.00 1.1570%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.00 0.4514%

前営業日終値 99*16.50 0.4740%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.88 0.1111%

前営業日終値 100*00.50 0.1170%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 31437.80 +61.97 +0.20

前営業日終値 31375.83

ナスダック総合 13972.53 -35.16 -0.25

前営業日終値 14007.70

S&P総合500種 3909.88 -1.35 -0.03

前営業日終値 3911.23

COMEX金 4月限 1842.7 +5.2

前営業日終値 1837.5

COMEX銀 3月限 2707.8 ‐32.4

前営業日終値 2740.2

北海ブレント 4月限 61.47 +0.38

前営業日終値 61.09

米WTI先物 3月限 58.68 +0.32

前営業日終値 58.36

CRB商品指数 184.0678 ‐0.1556

前営業日終値 184.2234

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