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米通商代表と中国副首相が電話会談、中国は関税撤廃を要求

ロイター / 2021年10月11日 7時15分

10月8日、 米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は8日、中国の劉鶴副首相と電話会談を行った。/Aly Song)

[ワシントン 8日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は8日、中国の劉鶴副首相と電話会談を行った。USTR高官によると、タイ代表は中国の通商慣行や補助金政策に関する米国の不満に中国が対応する用意があるかを確認した。一方、中国の新華社によると、同国は米側に関税撤廃を求めた。

USTRは声明で、「タイ代表と劉副首相は、米中通商合意の履行状況を検証し、未解決の問題について協議することで合意した」と表明した。

タイ代表と劉副首相の会談が行われるのは2度目。タイ代表は4日、2020年2月に発効した第1段階の米中通商合意を中国が順守していないことについて、近く劉副首相と協議する意向を示していた。

新華社は「中国側は関税と制裁の解除を巡り交渉し、中国の経済発展モデルと産業政策に関する立場を説明した」と報道。

双方が「中心的な懸念事項を伝え、協議を通じて互いの妥当な懸念を解決することで一致した」と伝えた。

また「対等なアプローチと相互尊重の下で対話を継続し、両国の経済・通商関係の健全な発展および世界経済の回復に向けた条件を作り出すことで双方が合意した」とした。

USTR高官は電話会談に先立って行われた記者説明で、目標未達となっている米国産製品の購入も含めた第1段階の米中通商合意の中国側の履行状況について、タイ代表が劉副首相に米国側の評価を伝える方針だと指摘していた。

在米中国大使館によると、秦剛・駐米大使は中国の鳳凰衛視(フェニックステレビ)による8日のインタビューで、第1段階合意の目標未達について問われると、中国は国家間関係において常に約束を守ってきたと主張。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による深刻な課題にもかかわらず、中国は知的財産権の保護や金融セクターの開放に関する「具体的な措置」を含め、合意を誠実かつ着実に履行してきたと強調した。

また、これと同時に米政府が同国における中国企業に障壁や制限を課したことを非難した。

USTR高官は電話会談に先立ち、タイ代表が中国側の「非市場的」経済慣行についても懸念を伝えるとしていた。

この高官は、「中国政府が中央集権的で独裁的な姿勢の強化を一層明確にし、構造的な懸念への対応に抵抗的であることを我々は認識している」とした上で、引き続き競争や市場の多様化、中国側の慣行の影響の抑止を目指していくと述べた。

タイ代表は今後、中国政府の国内産業への補助金に関する対応を巡る「第2段階」の通商協議入りは想定しておらず、今回の電話協議後の中国側の出方次第で今後の対応を決めるという。

第1段階の通商合意は、中国に2年間で米国からの製品・サービスの輸入を2000億ドル拡大することを求めている。トランプ前政権は、中国政府の国内産業への大規模な補助金に関する対応を「第2段階」の通商協議で議論することを想定していた。

公正な貿易慣行に対して制裁関税を発動できる通商法301条に基づく新たな調査開始の可能性について、前出の高官は「米国の労働者や農業従事者、ビジネスを不公平な通商慣行から守るため、全ての手段」を使っていくと述べた。

この高官によると、タイ代表は今回の電話協議を「こうした対話が我々が求める結果の確保に資するものかを試す機会」と位置付けていた。台湾からの移民の娘であるタイ代表は、流暢な中国語を話す。

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