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カザフ大統領、治安機関高官をさらに解任 当局「状況安定化」

ロイター / 2022年1月10日 10時46分

 大規模な反政府デモが発生した中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は9日、さらに2人の治安機関高官を解任した。当局はロシア主導の部隊が重要施設を警備しており、状況は安定しているとしている。写真はアルマトイで8日撮影(2022年 ロイター/Pavel Mikheyev)

[アルマトイ 9日 ロイター] - 大規模な反政府デモが発生した中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は9日、さらに2人の治安機関高官を解任した。当局はロシア主導の部隊が重要施設を警備しており、状況は安定しているとしている。

解任されたのは、国家安全保障委員会の副議長を務めていた2人。同委員会の議長だったカリム・マシモフ氏もすでに解任され、国家反逆罪の疑いで拘束されている。

同国では過去1週間に大規模な反政府デモが発生。公共施設が放火され、数千人が拘束された。トカエフ大統領はデモ参加者を「無法者」や「テロリスト」と見なし、法執行機関と軍隊に「警告なしに射殺する」よう命じた。

国営やロシアのメディアは、政府のソーシャルメディアへの投稿を引用して、衝突により164人が死亡したと伝えた。しかし、保健・警察当局はこれを確認しておらず、ソーシャルメディアへの投稿はその後削除された。

インターネットが制限され、通信が不安定なことから数字などの確認は困難な状況となっている。

トカエフ大統領は、高官らを更迭したり、長年にわたり大統領を務めたナザルバエフ氏を国家安全保障会議の議長ポストから解任するなどし、権力固めを図っており、政権内の権力争いを巡る憶測が広がっている。

大統領のウェブサイトは、国家安保委副議長のMarat Osipov氏とDaulet Ergozhin氏の解任を発表したが、理由は説明していない。

拘束された同委員会前議長のマシモフ氏は首相を2度務めたことがあり、ナザルバエフ氏の側近として知られる。

ナザルバエフ氏の報道官は、この危機の中、同氏は首都ヌルスルタンに滞在し、危機を緩和するためにトカエフ氏に国家安全保障会議の議長職を譲ることを自ら選択したと説明。対立を巡る憶測を打ち消そうとした。

トカエフ氏の報道官は、同氏が11日に国会で演説する際に新たな政府高官らを指名する見通しだと述べた。

大統領府は「国内の全ての地域で状況は安定化した」とし、法執行機関が行政機関の建物を再び掌握したと説明した。

国防省高官は「テロリストを完全に排除するまで対テロ作戦は続けられるだろう」と述べた。

警察はデモに関連して6044人が逮捕されたと発表した。

ロシア当局によると、ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」はカザフスタンへの展開を終えたが、状況が完全に安定するまで駐留するという。

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