21年は過去5番目に暑い年=EU気象情報機関
ロイター / 2022年1月11日 2時35分
欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」(C3S)は10日発表した報告書の中で、2021年の世界の平均気温は過去5番目の暑さとなり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)とメタンの大気中の濃度は過去最高だったと明らかにした。写真は2016年3月撮影(2022年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」(C3S)は10日発表した報告書の中で、2021年の世界の平均気温は過去5番目の暑さとなり、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)とメタンの大気中の濃度は過去最高だったと明らかにした。
1850年までさかのぼる記録では過去7年間が「明らかな差で」最も暖かく、21年の世界の平均気温は1850─1900年の水準より摂氏1.1─1.2度高かったとしている。最も暑かった年は20年と16年だった。
各国は15年のパリ協定で、地球の気温上昇を1.5度に抑えるよう努力すると約束した。これは科学者が最悪の影響を避けることができると言っているレベルだ。そのためには30年までに温室効果ガスの排出量をほぼ半減させる必要があるが、これまでのところ排出量は増加している。
温室効果ガス排出によって地球の気候が変化し、長期的な温暖化傾向が続いている。気候変動は欧州や中国、南スーダンでの洪水から、シベリアや米国での山火事まで、21年に世界を襲った多くの異常気象を悪化させた。
C3Sのディレクター、カルロ・ブオンテンポ氏は「これらの出来事は、持続可能な社会に向けて私たちのやり方を変え、断固とした効果的なステップを踏み、二酸化炭素の正味排出量の削減に向けて取り組む必要があることを明確に示している」と述べた。
主な温室効果ガスであるCO2とメタンの世界レベルは上昇を続け、ともに21年に過去最高を記録した。大気中のCO2濃度は21年に414.3ppmに達し、20年から約2.4ppm上昇したと指摘している。
C3Sによると、特に強力な温室効果ガスであるメタンのレベルが過去2年間で急上昇しているが、理由は完全には解明されていない。メタンの排出は石油・ガス生産や農業、湿地帯などの自然発生源まで多岐にわたる。
世界のCO2排出量は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった20年にいったん落ち込んだ後、21年に4.9%上昇したことが暫定的なデータで示されている。
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