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中国の6月PPI、前年比-5.4% 約7年ぶり大幅な落ち込み

ロイター / 2023年7月10日 16時43分

 7月10日、中国国家統計局が発表した6月の生産者物価指数(PPI)は、前年比5.4%下落し、2015年12月以来最も大幅な落ち込みとなった。写真は浙江省で4月撮影。提供写真(2023年 ロイター/China Daily )

[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が10日発表した6月の生産者物価指数(PPI)は、前年比5.4%下落し、2015年12月以来最も大幅な落ち込みとなった。消費者物価圧力も21年以降で最も穏やかとなり、当局に需要喚起のための政策対応を迫る結果となった。

PPIは前年比で9カ月連続の下落。下落率は5月(4.6%)から予想(5.0%)以上に加速した。

6月の消費者物価指数(CPI)は前年比変わらず。豚肉価格の下落が加速したことが主因。5月は0.2%上昇、ロイター調査の予想中央値は0.2%上昇だった。

食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは前年比0.4%上昇し、5月の0.6%上昇から鈍化した。

中国当局は23年の平均CPI伸び率を約3%としている。22年は2%上昇した。

キャピタル・エコノミクスはリポートで「総合インフレ率は年末までに1%程度に上昇すると予想している。ただそれでも水準的に低く、中国人民銀行(中央銀行)の一段の金融緩和余地を制約することはないだろう」と指摘する一方で、「信用需要が低迷し、通貨が下落圧力にさらされていることから、支援策は主に財政政策を通じて行われると考える。政策金利の今年の引き下げ幅は、あと10ベーシスポイントにとどまると予想する」と述べた。

人民銀行は先月、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の1年物と5年物を10カ月ぶりに引き下げた。

バークレイズのエコノミストは「デフレ環境がより厳しくなり、成長の勢いが急激に鈍化している。人民銀行が利下げサイクルに入ったという当社の見方を裏付けるものだ」とリサーチノートに記した。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は「PPIの下落加速は不動産や建設セクターの低迷と鉱工業生産の好調を反映している」と指摘。「ただ、前年比での下落率は底入れした可能性が高く、今年後半には徐々に縮小する」との見通しを示した。

野村は夏休みシーズンにサービス価格が上昇すると予想しているが、それでも7月のCPIが前年同月比0.5%下落すると見込んでいる。

上海証券のアナリストは、人民銀行が貸出金利をさらに引き下げる可能性が高いとし、下期の預金準備率と政策金利の引き下げを見込んでいると述べた。

ただ、家計や企業は新型コロナウイルス禍で打撃を受けたバランスシートを改善させようと負債の返済を進めているため、小幅な利下げはローン需要にさほど影響を与えないとアナリストは指摘。需要押上げには財政政策など他の措置が必要だとの見方を示している。

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