伊、EUに財政ルールの柔軟化訴え 来年の基準違反を警戒
ロイター / 2023年10月10日 14時24分
イタリアは、2024年の財政収支が欧州連合(EU)の基準から外れて財政規律措置を義務付けられる事態を警戒し、EUの財政ルールの柔軟化を加盟諸国に働きかけている。写真はイタリア中銀、2011年11月撮影(2023年 ロイター/Stefano Rellandini)
[ローマ 9日 ロイター] - イタリアは、2024年の財政収支が欧州連合(EU)の基準から外れて財政規律措置を義務付けられる事態を警戒し、EUの財政ルールの柔軟化を加盟諸国に働きかけている。
関係筋3人によると、メローニ政権が特に懸念しているのは、EUの統計局「ユーロスタット」による会計規則変更により、24年の財政赤字が押し上げられて基準違反の可能性が高まることだ。
EUは新型コロナウイルスのパンデミックに鑑み、財政ルールである「成長安定協定」の適用を2020年から凍結していたが、来年は加盟国間で交渉中の修正を加えて復活させる見通し。
イタリアは最大限寛大な修正とする提案を行っており、直近では環境配慮型の住宅改修に対する税控除について、ユーロスタットの基準変更の適用回避を求めている。同国は、この税控除を予算に盛り込んだことによって過去3年間の財政赤字が膨らんだ。
しかしユーロスタットは、同税控除の影響を来年以降にシフトさせる可能性がある。つまり、過去3年間の財政赤字は縮小する一方、来年以降の財政赤字は押し上げられる見通しだ。
その場合、イタリアはほぼ確実に修正後の成長安定協定に違反することになる。
イタリア政府が9月27日に承認した予算計画では、来年の財政赤字目標が従来の国内総生産(GDP)比3.7%から4.3%に修正され、EUの基準である3%以内に戻るのは26年にずれ込む見通しとなった。
金融市場はこれを嫌気し、イタリア国債が売られて10年物国債利回りはドイツ国債とのスプレッドが9日時点で208ベーシスポイント(bp)と、1月以来で最大となった。
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