中国、来年の財政赤字比率引き上げ可能＝中銀政策委員

中国人民銀行（中央銀行）金融政策委員会の王一鳴委員は１１月１０日、景気回復を下支えするため、来年の財政赤字の比率を引き上げることが可能だと述べた。写真は北京にある人民銀本店。２０２０年２月撮影（２０２３年　ロイター/Jason Lee）

［北京　１０日　ロイター］ - 中国人民銀行（中央銀行）金融政策委員会の王一鳴委員は１０日、景気回復を下支えするため、来年の財政赤字の比率を引き上げることが可能だと述べた。

中央政府には債務を拡大する余裕があると指摘した。

同委員は北京で開催された財新サミットで「短期的には財政政策の強度を強める必要がある。中央政府の債務比率は比較的低く、まだ多くの余地がある」とし、来年の財政赤字を拡大すれば景気回復の促進に寄与するとの見方を示した。

中国政府は先月、１兆元（１３７１億４０００万ドル）の新規国債発行を承認。これを受け、今年の財政赤字の対国内総生産（ＧＤＰ）比は３％から３．８％前後に拡大した。

同委員は今年５％をやや上回る経済成長の達成が可能だとも発言。外需の低迷と内需の不足を背景に国内で過剰供給能力に対する圧力が強まっているとも述べた。