ＩＰＯ「環境が安定すれば」復活へ＝ＬＳＥＧトップ

　１１月１０日、ＬＳＥＧ（ロンドン証券取引所グループ）のデイヴィッド・シュウィマー最高経営責任者（ＣＥＯ）は、ロンドンなど世界各国の新規株式公開（ＩＰＯ）市場について、現時点では金利上昇、地政学リスク、経済不安に対する懸念で低迷しているが、「環境が安定し改善すれば」復活するだろうとの見方を示した。ニューヨークで２０２２年１２月撮影（２０２３年　ロイター/Brendan McDermid）

Vidya Ranganathan　Lawrence White

［シンガポール　１０日　ロイター］ - ＬＳＥＧ（ロンドン証券取引所グループ）のデイヴィッド・シュウィマー最高経営責任者（ＣＥＯ）は、ロンドンなど世界各国の新規株式公開（ＩＰＯ）市場について、現時点では金利上昇、地政学リスク、経済不安に対する懸念で低迷しているが、「環境が安定し改善すれば」復活するだろうとの見方を示した。

シンガポールでロイターとのインタビューに応じた。世界のＩＰＯ市場は過去１８カ月間、低迷が続いている。また英国は欧州連合（ＥＵ）離脱に伴い、株式取引で首位の座をオランダ・アムステルダムに譲った。株式上場先を巡っては、ニューヨークに加え、欧州域内との競争も激しくなっている。

シュウィマー氏は、ウクライナやガザの紛争が長引いても上場は回復すると予想。事業を発展させるために資本を必要としている企業のニーズが積み上がっていると指摘した。

「市場は非常に順応性がある。これが新たな標準であれば市場はそれに適応し、新たな標準の下で資本調達が行われる」と述べた。

英年金基金の投資可能資産が広がる改革案により、市場流動性は回復するとの見方を示した。

＜新外為取引プラットフォーム「１０倍速く」＞

シュウィマー氏は、今年シンガポールで始まるノンデリバラブル・フォワード（ＮＤＦ）機能を備えた新しい外国為替取引プラットフォームが「１０倍速く」なるとも発言した。

ＬＳＥＧは今年、ＮＤＦについて、流動性の低い市場で非兌換通貨に対する為替エクスポージャーをヘッジする効率的な手段だとの見解を示している。