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デフレ完全脱却へ政府・日銀「密接に連携」、金融政策は新段階 骨太原案が判明

ロイター / 2024年6月10日 10時18分

 6月10日、政府が近く提示する経済財政運営の指針(骨太方針)の原案が判明した。都内で2020年2月撮影(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)

Takaya Yamaguchi

[東京 10日 ロイター] - 政府が近く提示する経済財政運営の指針(骨太方針)の原案が10日、判明した。マクロ政策運営では、日銀の金融政策が「新しい段階に入った」と追記。政府・日銀が引き続き「密接に連携する」などして、デフレからの完全脱却を実現する姿を示す。ロイターが原案を確認した。

原案は、1)成長型の新たな経済ステージへの移行、2)社会課題への対応を通じた持続的な経済成長の実現、3)中期的に持続可能な経済社会の実現、4)当面の経済財政運営と次年度予算編成に向けた考え方──が柱。

経済財政運営では「コストカットが続いてきた日本経済を成長型の新たなステージへと移行させていく」ことを最重要課題に掲げる。中長期的に実質国内総生産(GDP)が1%を安定的に上回る成長を実現するうえでも、新たなステージへの移行が「必須の条件」と強調し、縮小均衡の経済社会からの決別を促す。

一方、物価上昇が賃金上昇を上回る現状に「消費は力強さを欠いている」との認識も示す。「最近の円安の動きもあって輸入物価を始めとする物価の先行きは不透明」なうえ、世界的な金融引き締めによる影響や中国経済の先行き懸念などの下振れリスクも残る。原案では「日本経済は新しいステージへの移行に向けた正念場にある」と明記する。

焦点となる賃上げを起点とした所得と生産性の向上では、最低賃金目標の早期実現や、欧米諸国に比べて男女間格差が大きい賃金体系を是正する方策を打ち出す。

建設業やトラック運送業だけでなく、農林水産業や食品産業でも所得向上に向けた環境整備を進める。原材料費や労務費が適切に転嫁できるよう、新たな法制度を2025年の通常国会に提出する。

生産性を向上させても、それ以上に物価が上昇すれば所得環境の改善は実感できない。

日銀が3月にマイナス金利政策やイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)などの金融緩和策を解除したことを受け、骨太では「金融政策は新しい段階に入った」と言及。安定的な物価上昇率のもとでの民需主導の持続的な経済成長の実現に向け、「政府は引き続き、日銀と密接に連携し、経済・物価動向に応じた機動的なマクロ経済政策運営を行う」と記す。

物価安定2%目標を巡り、これまで「賃金の上昇を伴う形で」としてきた前書きは「賃金と物価の好循環を確認しつつ」に置き換える。持続的・安定的に物価2%目標を実現することで「来年以降、物価上昇を上回る賃上げを定着させていく」との狙いがある。

新たな骨太方針は、家計の現預金が投資に向かい、企業価値向上の成果が家計に還元され、さらなる投資や消費につながる「インベストメント・チェーン」の実現や、次世代半導体の量産に向けた取り組みなども盛り込み、21日に閣議決定する。

岸田文雄首相が策定を指示した経済・財政新生6カ年計画は、与党との調整も踏まえて最終案に反映させる。当局者からのコメントは得られていない。

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