韓国サムスン電子、最大労組が無期限スト入り宣言

　１０日、韓国サムスン電子の労働組合は、実施しているストライキの継続を表明した。ウェブサイトで明らかにした。韓国・ファソンで８日撮影（２０２４年　ロイター/Kim Soo-hyeon）

Heekyong Yang　Ju-min Park

[ソウル １０日 ロイター] - 韓国サムスン電子の最大の労働組合は１０日、賃上げや福利厚生の改善を求めて無期限のストライキに入ると宣言した。ウェブサイトで明らかにした。

国内従業員のほぼ４分の１に当たる約３万人が加入する「全国サムスン電子労組」によると、当初は３日間の予定だったが、８日のスト開始以降経営陣が協議を行う意思を示さなかったため継続を決定した。

労組幹部によると、約６５００人がストに参加しており、さらに多くの組合員に参加を呼びかけるという。

同労組のLee Hyun-kuk副委員長はユーチューブのライブ放送で「われわれの目標は（半導体の生産）ラインを停止することだ」と語った。ロイターに対し、ストによって半導体の生産が一部中断され、設備の稼働が鈍化したと述べた。

サムスンは３日間のストで生産に支障は出ていないと説明。「サムスン電子は生産ラインに混乱が生じないようにする。引き続き誠意を持って労組との交渉に当たる」と声明で述べた。

サムスンの株価は０．１％上昇して終了した。

労組はストへの参加を促すため、生成人工知能（ＡＩ）向けに需要が急増している広帯域メモリー（ＨＢＭ）と８インチウエハーの工場でキャンペーンを行うとしている。

アナリストは影響を受けたウエハーや工程の詳細が明らかにされない限り、ストが生産に支障を来したかどうかを検証するのは難しいとの見方を示している。

労組は要求を修正し、基本給を３．５％引き上げることと、組合設立記念日を休日にすることを盛り込んだと明らかにした。一般社員と幹部のボーナス制度を平等にすることも求めている。

Lee氏は経営陣はこれまでに基本給の３％増額を提示していたが、組合はインフレを反映して一段の増額を要求していると述べた。

ソウル大学のイ・ギョンムク経営学教授は「生産ラインが止まり利益が上げられなくなればボーナスは大幅に削減される。そうなればストは盛り上がらないだろう」と指摘した。