英中銀、利下げ近づくがインフレ圧力は強い=チーフエコノミスト
ロイター / 2024年7月11日 5時12分
イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は10日、同中銀は利下げに近づいているが、サービス価格の上昇と賃金の伸びは依然として強いとの見解を示した。写真はイングランド銀行で7日撮影(2024年 ロイター/Claudia Greco)
[ロンドン 10日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミスト、ヒュー・ピル氏は10日、同中銀は利下げに近づいているが、サービス価格の上昇と賃金の伸びは依然として強いとの見解を示した。
ピル氏はロンドンで開かれた業界イベントで「サービス価格や賃金の前年比上昇率は依然として6%近く、引き続き好ましくない基調的インフレの強さを示している」と指摘。5月の英消費者物価指数(CPI)の前年比の伸びが中銀目標の2%まで低下したが、来週発表される6月のインフレ率で全体像が変わる可能性は低いとした。
その上で「利下げのタイミングが今であるかどうかはまだ議論の余地がある」とした。
一方で「最新のデータは、こうしたインフレ圧力が現在は抑制されており、インフレ目標の達成とより一致する水準に戻り始めている可能性があるとの見方とも一致している」とも指摘した。
ピル氏は、英中銀が将来の利下げについて行うかどうかという問題ではなく、いつ行うかという問題と見なしていることは依然として適切だと述べた。
ただ、労働市場のミスマッチにより失業率の上昇や求人件数の減少が賃金の伸び鈍化につながらず、インフレが抑制されないというシナリオもあると警告。英中銀の政策金利を巡る判断はさまざまなシナリオを考慮する必要があるとした。
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