1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

グーグル関係者のノーベル賞受賞相次ぐ、AI研究巡る議論に一石

ロイター / 2024年10月10日 18時5分

 10月10日、 米グーグルとつながりのあるAI(人工知能)研究者が今週、ノーベル物理学賞と化学賞を相次いで受賞したことを受けて、専門家の間では、同社が研究で優位な立場にあることやコンピューターサイエンスの業績をどう評価するかを巡って議論が起きている。写真はデミス・ハサビス氏とジョン・ジャンパー氏。ロンドンのグーグル・ディープマインド事務所で9日撮影(2024年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 10日 ロイター] - 米グーグルとつながりのあるAI(人工知能)研究者が今週、ノーベル物理学賞と化学賞を相次いで受賞したことを受けて、専門家の間では、同社が研究で優位な立場にあることやコンピューターサイエンスの業績をどう評価するかを巡って議論が起きている。

9日発表のノーベル化学賞はグーグルのAI開発部門「ディープマインド」のデミス・ハサビス氏、ジョン・ジャンパー氏ら3人に授与された。授賞理由は「タンパク質構造の予測」。

8日発表のノーベル物理学賞はグーグルの元研究者、ジェフリー・ヒントン氏ら2人に授与された。「物理学のツールを使用して、今日の強力な機械学習の基礎となる手法を開発した」ことが授賞理由。

これについて、コンピュータ科学者で国連のAIアドバイザーを務めるウェンディ・ホール教授はロイターに対し、受賞者の業績は評価に値するが、ノーベル賞に数学賞やコンピュータサイエンス賞がないことが結果をゆがめる形になったと指摘。

「ノーベル賞委員会はAIの研究を見逃したくなかったのだろう。物理学のルートでヒントン氏にノーベル賞を授与したのはかなり型破りだ」とし、ノーベル賞には値するが、物理学賞での受賞には疑問があるとの認識を示した。

ベントレー大学のノア・ヒアンシラクサ准教授(数学)も「(ヒントン氏の)業績は驚異的だが、物理学だとは思えない。物理学からのインスピレーションがあったとしても、物理学の新しい理論を開発したわけでも、物理学の長年の問題を解決したわけでもない」と語った。

ヒントン氏は自ら開発した技術の危険性について気軽に語れるよう昨年グーグルを退職したことで話題になった。

グーグルなどの大手IT企業は巨額の資金を投じてAI研究を進めており、今週発表のノーベル賞では伝統的な大学が研究競争で苦戦を強いられつつあることが浮き彫りになった。

ヒアンシラクサ氏は研究に対する公的投資を増やす必要があると主張。「巨大IT企業の多くはディープラーニングの次の飛躍的進歩を目指しているのではなく、チャットボットやネット広告で利益を上げている。イノベーションの要素はあるが、その多くは科学的とは言えない」と述べた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください