フィリピン、中国とASEANに南シナ海行動規範の交渉加速要請
ロイター / 2024年10月11日 1時3分
フィリピンのマルコス大統領(写真)は10日、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と中国に対し、南シナ海の行動規範に関する交渉を加速するよう強く求めた。同日撮影(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[ビエンチャン 10日 ロイター] - フィリピンのマルコス大統領は10日、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国と中国に対し、南シナ海の行動規範に関する交渉を加速するよう強く求めた。南シナ海における中国からの執拗な威嚇行為に対しては改めて非難した。
マルコス氏は訪問中のラオスで、ASEAN各国の首脳や中国の李強首相を前に、南シナ海の行動規範に関する実質的な進展が必要であり、全当事者は「意見の相違に真摯に向き合い」、緊張緩和に向けて真剣に取り組む必要があると訴えた。
中国とフィリピンは、南シナ海の係争地域付近での一連の衝突を巡って対立している。最終的に米国を巻き込む形へと事態が悪化することへの地域の懸念が高まっている。
フィリピン大統領府の発表によると、マルコス氏は「ASEANと中国の行動規範に関する交渉をもっと急ぐべきだ」とし、「南シナ海の情勢は依然として緊迫し、変化がないことは残念だ。われわれは引き続き威嚇行為を受けている」と主張した。
中国は南シナ海のほぼ全域に対する主権を主張し、フィリピンなどの排他的経済水域を含む東南アジアに沿岸警備隊の艦隊を展開している。
海洋の行動規範策定の構想は2002年に中国とASEANの間で合意されたが、正式な策定プロセスは17年まで開始されなかった。それ以来、進展は極めて遅く、交渉の枠組みや方式を巡って議論が何年も続いている。一方、ASEAN加盟国の一部には、行動規範が法的拘束力を持たないのではないかとの懸念もある。
中国外務省の報道官は、中国は行動規範に関する協議の推進に努めていると主張。「中国はあらゆる侵害や挑発に反対し、領土の主権と海洋権益を守る」とも述べた。
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