マネーストックＭ３、11月は0.7％増で伸び率変わらず 預金通貨の増勢鈍る

Tetsushi Kajimoto

［東京　１０日　ロイター］ - 日銀が１０日発表した１１月のマネーストック速報によると、Ｍ３の平均残高は前年比０．７％増の１６０５兆７０００億円と、伸び率が前月から横ばいだった。

名目ベースで個人消費の拡大が継続すると同時に、消費税や法人税の納税に伴い法人預金が減少したため、預金通貨が前年比１．８％増と、２０１０年６月以来の低い伸びとなったことがＭ３の増加を抑えた。

定期預金を含む準通貨は前年比０．６％増と、１５年９月以来の大幅な伸びとなった。「金利のある世界」で定期預金に資金がシフトしたとみられる。

現金通貨は２．６％減と、マイナス幅が拡大し、０４年の統計開始以来最大のマイナス幅となった。キャッシュレス化の進展やコロナ禍で積み増された現金の取り崩しを反映した。

Ｍ２は１．２％増の１２５５兆円。

広義流動性は前年比３．２％増の２１８４兆６０００億円。このうち外債は９．６％増とプラス幅が縮小した。

＊日銀の発表資料は以下のＵＲＬをダブルクリックしてご覧下さい。

マネーストック： http://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms2411.pdf