ブラックロックが気候関連イニシアチブ離脱、トランプ氏復帰控え
ロイター / 2025年1月10日 11時26分
1月9日、資産運用世界最大手の米ブラックロックは、2050年までに温室効果ガスの実質排出ゼロを目指す資産運用会社でつくるグループ「ネット・ゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシアチブ(NZAMI)」から離脱すると発表した。写真はブラックロックのロゴ。都内で2016年10月撮影(2025 ロイター/Toru Hanai)
Ross Kerber
[9日 ロイター] - 資産運用世界最大手の米ブラックロックは9日、2050年までに温室効果ガスの実質排出ゼロを目指す資産運用会社でつくるグループ「ネット・ゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシアチブ(NZAMI)」から離脱すると発表した。
ロイターが確認した顧客宛ての書簡は「これらの組織への加盟がブラックロックの活動に関する混乱を引き起こし、さまざまな公的機関から法的な問い合わせを受けることになった」ため脱退に至ったと説明した。
商品・ソリューション開発方法やポートフォリオ管理方法に変更はなく、「重要な気候関連リスク評価を継続する」としている。
NZAMI加盟社は実質排出ゼロ目標を支持し、企業の株主総会などで影響力を行使することを誓約している。同グループのウェブサイトによれば、現在325社以上が署名し、資産運用総額は57兆5000億ドル以上となっている。
2期目のトランプ政権が発足するのを前に、ウォール街の大手金融機関はここ数週間、銀行向けの同様の気候関連組織を脱退している。脱退が融資や株式購入に直接的な影響を与えることはないかもしれないが、各社の加盟は投資家の環境に対する優先度合いを示すものと見られていた。
これまでのところ、ブラックロックの離脱は他社の追随を促していない。ステート・ストリートとJPモルガンの資産運用部門は9日、NZAMIのメンバーにとどまると明らかにした。別のパッシブ型ファンド運用大手バンガードは22年にNZAMIを脱退した。
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