米コロナ支援に協調必要、弱者が最大の苦境=シカゴ連銀総裁
ロイター / 2020年8月11日 6時25分
米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は10日、新型コロナウイルス感染拡大により引き起こされた経済危機で、最も脆弱な労働者が最大の苦境にさらされているとの認識を示し、政策担当者は支援に向けた対策を打ち出すために協調する必要があると述べた。ワシントンのFRB本部で昨年3月撮影(2020年 ロイター/Leah Millis)
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は10日、新型コロナウイルス感染拡大により引き起こされた経済危機で、最も脆弱な労働者が最大の苦境にさらされているとの認識を示し、政策担当者は支援に向けた対策を打ち出すために協調する必要があると述べた。
エバンズ総裁はシカゴ地区連銀が主催したオンラインイベントで「今回の景気後退(リセッション)は、発生した速さとその規模において、他に例を見ない」とし、「この危機で、有給の傷病休暇が取れない人、在宅勤務ができない人、多くの貯金を持たない人が最も大きな影響を受けている。こうした人々の将来の先行き不透明性は高く、この困難な時期を乗り越えるために新たな政策が必要になっている」と述べた。
その上で、充分な安全対策を取らずに営業再開を急いだ事業者がいたことで新型ウイルス感染が再拡大し、経済の「正常化」が遅延しているとの報告があると指摘。地方政府から連邦政府に至るまで、全ての政策担当者が持続可能な進展に向けて共に取り組んでいく必要があるとの考えを示した。
また、コロナ禍前から苦しんでいた人種グループの支援に的を絞った経済政策が必要と指摘。「米経済がまだ力強かった時でも、システミックな人種差別主義などで機会が限定されていた多く人々がいる」とし、「(感染拡大前の)2月の状況に単に戻すだけでは、今の世代が直面している課題に充分に対応できない」と述べた。
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