アサヒ、通期業績予想を未定に 消費意欲の低迷で需要減少
ロイター / 2020年5月11日 18時58分
アサヒグループホールディングスは11日、2020年12月期の通期連結業績予想(IFRS、国際会計基準)を未定とすると発表した。写真は2017年6月、シンガポールのバーで撮影(2020年 ロイター/Thomas White)
[東京 11日 ロイター] - アサヒグループホールディングス<2502.T>は11日、2020年12月期の通期連結業績予想(国際会計基準)を未定とすると発表した。日本、欧州、豪州などの各地域で新型コロナウイルス感染拡大の終息時期などの不確実な要素が多く、現時点で業績への影響を見積もることが難しいためという。
従来は、営業利益を前年比1%増の2035億円、売上収益を同2.2%増の2兆1350億円と予想していた。リフィニティブがまとめたアナリスト14人による営業利益予想の平均は2507億円。年間配当予想は106円で据え置いた。
オンライン会見をした小路明善社長兼CEOは「嗜好品市場にとっての消費が非常に減退している」と説明。消費意欲の減退に伴う外食市場の低迷が、業務用をはじめとするビール類の需要減少につながっていると述べた。
新型コロナ終息後は、自粛の反動で外食する人の数は増えると考える一方、コロナ第2波の恐れやソーシャルディスタンス(社会的距離)を取る動きは継続するとみており、「外食への影響をどうカバーしていくか考えていかなければいけない」(小路氏)との認識を示した。
足元の影響をみると、国内における4月のビール類売上高は、前年同月比35%減。緊急事態宣言や外出自粛要請が大きく響いた。豪州のビール販売数量は同40%減だった。
20年1―3月期の連結営業利益は前年同期比44.5%減の129億円、売上収益は同4.7%減の4091億円だった。主要部門の酒類事業では、飲食店の営業自粛を受け、業務用ビールなどの需要が大きく減少した。飲料事業でも、自動販売機の売り上げ低下やコンビニエンスストア業態の不振により、減収減益となった。
*内容を追加しました。
(新田裕貴 編集:内田慎一)
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