9月ロイター企業調査:コロナの影響「終息めど立たず」依然5割、需要回復見通せず
ロイター / 2020年9月11日 10時46分
[東京 11日 ロイター] - 9月ロイター企業調査によると、新型コロナウイルスによる事業への影響について、およそ5割が「終息のめどが立たない」と回答した。5月調査より減るどころか、わずかながら増加しており、事業の先行き不透明感は強いままだ。冬場を迎えれば感染自体の終息が見通せない上、ポストコロナでの消費者行動が読みにくいとみている。
この調査は8月31日から9月9日に実施。485社に送付し、回答者数はおよそ248社程度。
事業への影響が収まる時期について「めどが立たない」との回答は53%となり、5月調査の51%からわずかながら増加した。
「冬場に再流行する可能性大」(ガラス・土石)と懸念する声や、「ワクチンが普及するまで終息のめどは立てられない」(化学)として、国内需要が戻らない可能性を指摘する声も多い。
加えて、新型コロナで蒸発したインバウンド関連の企業では「インバウンドの復活まで考えると、コロナ以前まで戻るには数年かかると予想する」(食品)という見方もある。「仮に新型コロナウイルス自体が克服されても、『新しい生活様式』が業績に影響する」(小売)など、ポストコロナ時代の消費者の意識変化を視野に入れた回答もあった。
「数カ月先」との回答は36%からやや29%に減少したものの、3割弱を占めており、「コロナの実害の減少がはっきり見えた後に国民の消費マインドが戻ってくるとしたら、その時期はもう少し先になりそう」(輸送用機器)といった声が上がっている。
足元では感染拡大に一服感も見られるが、事業への影響が「すでに終息した」「現在終息しつつある」との回答はそれぞれ4%と9%の計13%で、5月調査の5%から明らかに増加したとはいえ1割強にとどまっている。
「数週間先」は5%から2%に減少。政府や東京都でイベント自粛規制の緩和や「GoToキャンペーン」の対象に東京も加えることを検討する中にあって、感染状況自体が近いうちに終息するとの見方は極めて少ないことが分かる。
(清水律子 グラフィクス作成:照井裕子 編集:山川薫)
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