ワクチンの信頼性、政治や偽情報で揺らぐ傾向=国際調査
ロイター / 2020年9月11日 14時33分
9月10日、ワクチンの信頼性に関する国際調査で、政治の分極化やインターネット上の偽情報などによってワクチンの信頼性が世界的に揺らぎやすいことが分かった。写真はサラエボで9日撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic)
[ロンドン 10日 ロイター] - ワクチンの信頼性に関する国際調査で、政治の分極化やインターネット上の偽情報などによってワクチンの信頼性が世界的に揺らぎやすいことが分かった。
この調査では、2015年から19年にかけての世界149カ国のワクチンに対する信頼性の変遷を分析。ワクチンの安全性への懐疑的な見方は政情不安や宗教的な過激思想によって助長される傾向にあることが分かった。
調査を主導したロンドン大学衛生熱帯医学大学院のハイディ・ラーソン教授は会見で「新型コロナウイルスのような新たな病気の脅威がある場合、人々の姿勢を定期的に観察することが重要だ」と説明。
「総じてみれば、世界的にワクチンへの大いなる信頼があるが、それを当然と考えるべきではない」とし、「ワクチンに対する認識は以前よりはるかに揺れ動きやすい状態にある」と語った。
ラーソン氏らは2019年の調査で、世界の成人28万4000人以上を対象に、ワクチンが重要、安全、効果的と考えるかどうかを質問し、その回答を分析した。調査結果は医学誌ランセットに掲載された。
同氏は、新型コロナワクチンの開発が世界的に急がれる中、政府は国民のワクチンへの信頼度を把握し、懸念に迅速に対応することにとりわけ努めるべきだと主張。「(新型コロナ)ワクチン開発のスピードに関して大きな懸念がある。だが、人々がもっと気にかけているのはワクチンが足りるか、その効果と安全性だ」と述べた。
調査によると、欧州はアフリカなど他地域と比べてワクチンの信頼性は低い。ただ2015年以降、フランスやイタリア、英国など欧州の一部でワクチンの信頼性は高まってきた。
一方、インドネシア、パキスタン、セルビア、アゼルバイジャン、アフガニスタン、ナイジェリアの6カ国では、15年以降にワクチンの信頼性は著しく低下。ラーソン氏はこの傾向について、政情不安と宗教的な過激思想の高まりと関連があるとみている。
この記事に関連するニュース
-
パリ五輪で厳重なテロ警戒が必要な理由 日大・福田充教授に聞く
毎日新聞 / 2024年7月26日 10時0分
-
「パンデミック条約」反対集会に1万人超、拡散する陰謀論 強制接種、その情報はどこから?「光の戦士」発言も
47NEWS / 2024年7月26日 10時0分
-
米仏軍が撤収、露が勢力圏に取り込み 西アフリカのニジェール、マリ、ブルキナファソ
産経ニュース / 2024年7月23日 19時7分
-
「老いた政治家に何ができるか」古希超えの小池百合子は習近平・プーチンと"タメ"…高齢者統治の可能性と限界
プレジデントオンライン / 2024年7月6日 10時15分
-
アングル:忍び寄る「ヒトからヒト」へ、科学者が恐れる鳥インフルの変異
ロイター / 2024年7月6日 8時6分
ランキング
-
1中距離ミサイル配備と警告=ロシア、独への展開に対抗
時事通信 / 2024年7月28日 19時33分
-
2イスラエルが「ヒズボラ」拠点を空爆
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月29日 3時21分
-
3プーチン大統領 中距離ミサイル配備と改めて警告 ドイツへの長射程ミサイル展開に対抗措置
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月29日 1時38分
-
4米カリフォルニア州で山火事急拡大、24時間で2倍に
ロイター / 2024年7月29日 10時27分
-
5「汚物風船戦争」は南北リアル戦争にエスカレーションか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月29日 12時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)