米FRB当局者、的を絞った財政支援策の必要性指摘
ロイター / 2020年11月11日 11時4分
米連邦準備理事会の政策当局者らは10日、新型コロナウイルスの感染者が急増する中、米経済の支援に向け政府の追加財政刺激策が必要になるとの認識を示した。写真はコロナ禍で揺れ動く米金融街ウォールストリート。11月10日撮影。(2020年 ロイター/Carlo Allegri)
[10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の政策当局者らは10日、新型コロナウイルスの感染者が急増する中、米経済の支援に向け政府の追加財政刺激策が必要になるとの認識を示した。ただ、コロナ危機の初期に打ち出された大規模な対策ではなく、より的を絞った対策が必要と指摘した。
サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、新型コロナの感染が再拡大する中、人々が一段と行動に慎重になることで景気が減速する恐れがあるとし、打撃を受けている産業分野に対する一段の支援が必要との考えを示した。[nL4N2HW4NC]
総裁はロイターのインタビューに対し、「特定の産業は早期に回復している。自宅で過ごす時間が増えたことが支援になった産業もあり、これらの産業はわれわれの支援を必要としていない」と述べた。
一方、外食など対面でのサービスに依存する産業は苦境から脱しておらず、一段の支援が必要になっていると指摘。新型コロナの影響を受けた中小企業を支援する「給与保護プログラム(PPP)」などに言及し、そうした企業への支援策の拡充が必要になるとの認識を示した。
ダラス地区連銀のカプラン総裁も、PPPの刷新など追加の財政支援策が必要だとし、同様の見解を示した。
カプラン総裁はブルームバーグがオンライン形式で開催した金融の将来を巡る会合で、「向こう2四半期は極めて困難になる。感染再拡大を受け、下方リスクが増大している」と述べた。[nL4N2HW42X]
職を失った多くの人が貯金を取り崩して生活する中、政府の追加支援策がなければ、家計所得と家計消費は「ある時点で」減少すると指摘した。その上で、来春にもワクチンが実用化されれば、経済成長は力強く回復すると予想した。
デイリー、カプラン両総裁の見解は、大型の追加経済対策に消極的な共和党主導の上院と一致するとみられる。共和上院トップのマコネル院内総務は10日、「現在の状況では数兆ドル規模の対策が必要とは思えない。したがって、私が9月と10月に示したような、的をかなり絞った対策が適当であると思う」と語った。[nL4N2HW4T9]
両総裁はFRBとしては低金利維持や月額1200億ドルの債券買い入れ、融資対策などの景気支援策を継続するべきだとの認識を示した。
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