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中国のコロナワクチン、被験者自殺でブラジルの治験中断

ロイター / 2020年11月11日 15時37分

 11月10日、ブラジルの保健当局は、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の新型コロナウイルスワクチンの治験で「深刻な事態」があったとして治験を中断した。写真は北京で9月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[サンパウロ/北京 10日 ロイター] - ブラジルの保健当局は、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の新型コロナウイルスワクチンの治験で「深刻な事態」があったとして治験を中断した。ボルソナロ大統領はこれまで、このワクチンの信頼性を疑問視しており、連邦政府はこのワクチンを購入しないと表明している。

保健当局は10月29日に深刻な事態が起きたとして9日に中断を発表した。治験が行われているサンパウロ州政府は、被験者が死亡したとし、死因は自殺として報告され、調査中であるとしている。警察の報告書をロイターが確認した。

このワクチンはサンパウロ州の研究所も提携して開発しており、同州のドリア知事は1月にも連邦政府の支援なしに州民が接種できるよう治験を後押ししていた。今回の治験中断を受けてドリア氏とボルソナロ大統領の対立が激化した。

ボルソナロ大統領はこれまで、シノバックのワクチンの信頼性を疑問視しており、治験の中断を受けて10日フェイスブックに「ボルソナロのまた別の勝利だ」と投稿した。

保健当局は10日、この件に関してより多くの情報が必要だとし、治験の中断を続けると発表した。一方、治験の中断は政治的な動機による判断ではないとしている。

シノバックは10日の声明で、ワクチンの安全性に自信があるとし、この件についてブラジル側と協議を続けるとした。

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