中国シノバックのワクチン、中南米諸国が関心=ブラジル当局者
ロイター / 2020年12月11日 11時9分
ブラジルのサンパウロ州にある研究所が生産の一部を受託する中国バイオ製薬会社、科興控股生物技術(シノバック)の新型コロナウイルスワクチンにブラジルの多数の州や中南米の複数の国々が関心を示していることが当局者などの話で明らかになった。写真はコロナ禍が続く中、バーの外で歓談するブラジルの人々。今年12月1日、リオデジャネイロで撮影。(2020年 ロイター/Pilar Olivares)
[サンパウロ 10日 ロイター] - ブラジルのサンパウロ州にある研究所が生産の一部を受託する中国バイオ製薬会社、科興控股生物技術(シノバック)の新型コロナウイルスワクチンにブラジルの多数の州や中南米の複数の国々が関心を示していることが当局者などの話で明らかになった。
サンパウロ州のドリア知事は10日の記者会見で、1月25日に同州でシノバックのワクチン「コロナバック」接種を開始するのを前に、同州のブタンタン研究所はワクチンの容器への充填とラベル貼りを1日当たり100万回分に増やすことを目指していると述べた。
また、11の州がブタンタンに購入を打診したと明かした。ボルソナロ大統領は国のワクチン接種事業についてコロナバックは使用しないと明言している。
知事の会見に同席したブタンタン研究所のディマス・コバス所長は、ペルー、ウルグアイ、パラグアイ、ホンジュラスを含む中南米の国々がブラジルからコロナバックを調達することに関心があると指摘。同研究所がアルゼンチンへの供給について協議を進めていることも明らかにした。
所長は、国内の他の州や都市への販売価格は10.30ドルになるとした。欧米の製薬会社のコロナワクチンを大幅に下回る価格だ。
ブタンタン研究所は、中国から原液を受け取って充填や薬瓶のラベル貼りをする代わりに、2021年9月からは原液を生産する計画で、そのための施設の建設を開始した。
ブラジル政府のパズエロ保健相は先に、ラジオのインタビューで、国民全員へのワクチン接種プログラムを来年開始すると確約。保健省は国家衛生監督庁(ANVISA)が承認し、価格が妥当で有効性が証明されているならばいかなるワクチンも購入する構えだとし、コロナバックを排除しなかった。
政府は米製薬大手ファイザーのワクチンを7000万回分、英製薬大手アストラゼネカのワクチンは約1億回分を購入する趣意書に調印している。複数の製薬会社との合意によって、最大3億回分のワクチンを入手できるとしている。
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