米、香港選挙制度改革で中国非難 来週の会談「厳しいものに」
ロイター / 2021年3月12日 8時1分
3月11日、米政府は中国による香港の選挙制度改革を非難し、香港の民主主義に対する攻撃だと述べた。また、来週行われる米中の外交トップによる会談が厳しいものになると予想した。写真は同日、香港で撮影(2021年 ロイター/Tyrone Siu)
[ワシントン 11日 ロイター] - 米政府は11日、中国による香港の選挙制度改革を非難し、香港の民主主義に対する攻撃だと述べた。また、来週行われる米中の外交トップによる会談が、厳しいものになるとの見通しを示した。
国務省のプライス報道官は会見で「中国全国人民代表大会(全人代)で11日に承認された制度変更は、香港の自治、自由、民主主義のプロセスに対する直接的な攻撃であり、政治参加を制限し、民主的な代表性を低下させ、政治的な議論を抑圧する内容だ」と批判した。
全人代は、香港の選挙制度を改革する決定を承認した。香港立法会(議会)から民主派を事実上排除して「愛国者」で固める制度に変更する。
プライス報道官は、ブリンケン国務長官が18日にアラスカで行う中国高官との会談で、中国の対応が米国の価値観にとっていかに問題になるかを率直に伝えると指摘。
「厳しい話もあるだろう」とし、「意見の違う分野の議論でも手加減はしない」と強調した。
ホワイトハウスのサキ報道官は、来週の会談について「台湾問題、香港の民主主義の抑制、または経済関係を巡る米国側の懸念」を躊躇(ちゅうちょ)せず取り上げる考えだと指摘。
さらに、中国・新疆ウイグル自治区のイスラム教徒少数民族に対する「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を議題に挙げると明らかにした。
プライス報道官は、気候変動など米国の利益になるような協力分野も模索するとの見通しを示した上で、中国側は関係改善を求めるなら態度を改めるべきだと強調。
「協議開催そのものが目的ではない。中国政府はたびたび両国関係のありようを変えたいと表明しており、実際に行動で示してほしい」と訴えた。
対面式での米中高官協議はバイデン政権発足後初めて。米国からはブリンケン長官のほか、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が出席。中国から外交担当トップである楊潔チ・共産党政治局員と王毅国務委員兼外相が出席する予定。
中国の李克強首相は11日、全人代閉幕にあたり記者会見し、米国とは共通の利益があり、協力できる分野も多くあるとの見解を示し、相互の核心的利益尊重、互恵的な協力、内政不干渉を基本に、健全な形で発展することを中国は望んでいると述べた。
*内容を追加しました。
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