市場はインフレリスクを過小評価、サマーズ氏が重ねて警告
ロイター / 2021年7月12日 8時29分
7月11日、サマーズ元米財務長官(写真)は、米債券市場の最近の価格急上昇について、技術的要因が恐らく背景にあると指摘し、市場はインフレのリスクを過小評価していると警告した。スイス・ダボスで2017年1月撮影(2021年 ロイター/Ruben Sprich)
[ベネチア 11日 ロイター] - サマーズ元米財務長官は、米債券市場の最近の価格急上昇について、技術的要因が恐らく背景にあると指摘し、市場はインフレのリスクを過小評価していると警告した。
米国債利回りは先週、急低下。世界の経済回復が既にピークを過ぎ、インフレ率の加速が一過性であると証明される可能性があるとの見方が市場で広がった。
サマーズ氏は主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれたイタリアのベネチアでロイターのインタビューに応じ、米債券市場の最近の動きは「財政資金の減少と投機的ポジションの解消」を含む「さまざまな技術的要因」が引き金となっている可能性があると述べた。
市場は過去に、将来的な物価上昇をうまく予測できなかったと説明。1960年代をはじめ、インフレ率が急加速した局面では、「市場は展開を予測できず、むしろ後手に回った」と語った。
ハーバード大学の教授であるサマーズ氏はこれまでもインフレリスクについて警告を発しており、5月に自身のウェブサイトに「米経済の主要リスクは過熱とインフレだ」とし、米連邦準備理事会(FRB)や他の政策当局者は「過剰なスラック(ゆるみ)ではなく、過熱が経済の主要な短期リスク」だと認識すべきだと記した。
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