豪小売売上高、11月は前月比＋7.3％ 予想大幅に上回る

オーストラリア統計局が１１日発表した昨年１１月の小売売上高は前月比７．３％増加し、市場予想の３．９％増を大きく上回った。写真は豪ドル紙幣、２０１８年２月撮影（２０２２年　ロイター／Daniel Munoz）

［シドニー　１１日　ロイター］ - オーストラリア統計局が１１日発表した昨年１１月の小売売上高は前月比７．３％増加し、市場予想の３．９％増を大きく上回った。

１０月も多くの地域で新型コロナウイルス対策のロックダウン（都市封鎖）が解除されたことを受けて４．９％増加していた。

１１月の売上高は前年同月比では５．８％増加し、過去最高の３３４億１０００万豪ドル（２４０億ドル）となった。

１１月の衣料品や靴、家庭用品、百貨店などの売上高は、販売時間延長と累積需要を背景に過去最高を記録した。

統計局の四半期経済統計担当ディレクター、ベン・ジェームズ氏は「消費者はセールを利用したり配送や在庫の心配をできるだけ少なくするため、クリスマス時期の消費を前倒しした」と語った。

こうした消費の前倒しは予想されていたものの、新型コロナウイルスのオミクロン変異株が今後小売セクターの圧迫要因となる可能性がある。

オーストラリア・ニュージーランド銀行（ＡＮＺ）のアナリストによると、１月第１週の銀行カードの支出はデルタ株対策のロックダウン以降で最低の水準に落ち込み、シドニーとメルボルンで特に落ち込みが目立った。

この日発表された１１月の貿易統計は、黒字額が９４億豪ドルに縮小した。ただ、黒字額の縮小は、国内消費の急拡大で輸入が増加したことが背景にある。

１１月の輸出は２％増加。一方、輸入は消費・資本財の急増で６％増加した。