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中国新規銀行融資、8月は予想以上に急増 景気対策が奏功

ロイター / 2023年9月11日 16時45分

 9月11日、中国人民銀行(中央銀行)が発表した8月の新規人民元建て融資は1兆3600億元(1861億8000万ドル)で、7月の3459億元のほぼ4倍に拡大した。写真は2019年11月、河南省鄭州市で撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)

Kevin Yao

[北京 11日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が11日発表した8月の新規人民元建て融資は1兆3600億元(1861億8000万ドル)で、7月の3459億元のほぼ4倍に拡大した。市場予想(1兆2000億元)も上回った。

国内外の需要低迷を受けて人民銀が打ち出した景気支援策が信用拡大につながった。

新規融資は前年同月の1兆2500億元も上回った。

上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「政策措置が景気の安定化に寄与したため、信用の伸びがやや改善した」と指摘。「住宅ローンが持ち直しており、これは利下げや不動産関連の規制緩和が購入者の心理改善につながったことを示している」とした。

住宅ローンを中心とする家計向け融資は前月の減少から3922億元増に転じた。

企業向け融資は7月の2378億元から9488億元に増加した。

マネーサプライM2の前年比伸び率は10.6%。市場では7月から横ばいの10.7%が予想されていたが、やや下回った。

8月末時点の人民元建て融資残高は前年比11.1%増加で、伸びは前月から変わらず、市場予想とも一致した。

社会融資総量残高の前年比伸び率は9.0%と、前月の8.9%から加速。

社会融資総量は、通常の銀行融資に加え、新規株式公開、信託会社の融資、債券発行などを含む広義の与信・流動性を示す。

8月の社会融資総量は3兆1200億元と、前月の5282億元から大きく膨らんだ。アナリスト予想は2兆4600億元だった。

アナリストは、不動産市場向けに追加の政策支援が必要だと指摘。不動産部門は中国経済の約4分の1を占める。

ANZの中国担当シニアストラテジスト、Zhaopeng Xing氏は、家計向け融資の増加は不動産市場の回復を示唆しているが、主要都市の新築住宅販売は依然低迷しており、結論を出すの時期尚早との見方を示した。

中国では住宅購入規制を撤廃する都市が増えている。

アナリストの間では、人民銀行が早ければ今月にも金利や銀行の預金準備率を引き下げるとの見方が浮上している。

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